おでかけの日は晴れ

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THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦

パトレイバーに関しては、「昔、ゆうきまさみが『機動警察パトレイバー』って作品を書いていたよなあ〜」ぐらいしか知りませんでした。アニメになっていたのもぼんやりと知っていた程度。
しかし「THE NEXT GENERATION パトレイバー」は押井守監督だし劇場でやっているしということで、短編シリーズを行ける限りは観にいっていた。観にいけない回はあっても、とりあえず2015年5月公開の劇場版だけは必ず行こうと決めてました。

さて観にいく前に友達が、
「どっちかというと観ておいたほうがいいと思うから」とDVDを貸してくれました。それが「機動警察パトレイバー 2 the Movie」。押井監督による劇場版アニメです。
とにかく川井憲次による音楽がものすごくかっこいい!
そしてとても印象的なのが、川の中を進むボートのシーンだった。
ボートに乗っている人の目視点で、映像は川、その周囲に並ぶビル、くぐる橋の下、などを描いていく。そこにボートに乗る男たちによるかなり重要な会話があるのだけれど、それを話す人の姿は極力描かれていない。セリフと流れていく街の風景と音楽。すごいシーンだ、と思った。

この1993年に公開された映画のDVDを見た数日後に、「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」。
最初のシーンだけでものすごくテンションが上がった!
パトレイバー2」の最初のシーンは東南アジアの某国。そしてこの「首都決戦」のはじまりはイスラム系の某国から。そしてその後流れた音楽は「パトレイバー2」で川のシーンで使われていたとても印象的な曲!もうゾクゾクしっぱなし!
そして登場する「南雲さん」。勿論「パトレイバー2」ではアニメだったので今回の実写版では後姿だったりして顔を露わにはしないが、声はアニメ同様、榊原良子。おおお、なんたることだ、榊原良子さんの声でセリフが語られるだけで感じる、このゾクゾク感は・・・!あんまりゾクゾクして涙出たよー。
他にも先の「パトレイバー2」からの引用は多く、それは川を行くボートのシーンだったり。
いや、だいたいこの「THE NEXT GENERATION パトレイバー」というシリーズ自体が先のパトレイバーをふんだんに引用している作品なのだろう。
引用、とは、その前にあったものに対する知識があって初めて面白いものである。前作に対する愛情と知識があればあるほど、面白いんだろうなあ。私は付け焼刃というか、今で言う「にわか」なんですけど、それでも数日前に「パトレイバー2」を観ることができたことにものすっごく喜びを感じたね!

そしてもうひとつ、パトレイバーを巡るあれこれとしては、引用の面白さだけでなく、もう一度このテーマで今を見てみる、という恐ろしい面白さもありました。
パトレイバー2」ではPKO法、国際連合平和維持活動協力法が成立した1992年の翌年、生まれた作品です。平和維持活動の目的にのみおいて自衛隊を出動させることに関することを定めた法律で、この法案もかなりの不安と反対が起こったことは記憶に新しいです。
この作品では、ある自衛隊員が、東京に戦争が起きたらという「情況」を演出する。決してテロを犯して本当に警察や日本、またはアメリカなどを敵に回して戦おうとするわけではなく、自衛隊が持っている武器と軍事力を行使して警察や国民に様々な問題を提起するという、とても怖い話です。
そして今回の2015年作の「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」。昨年、集団的自衛権という法案を通し、そしてちょうど今日ですが、安保関連の法案を決定した、という今。
映画の中で再び、自衛隊員たちが軍事を行使し、警察と私たちに向かって問題を突きつけてきました。正義と平和の意味。思想の有無。
面白くて怖くて何度でも楽しめる映画でした。