おでかけの日は晴れ

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海街diary

とてもいい映画だった、「海街diary」。
誰しもたった一人で新しい場所へ行かなければならない時の一度や二度ぐらいはあったと思う。
私にとっては小学生の頃、自分がそれまで一緒にいた母親のいる家族から父親の新しい家族の元に引き取られた時が最初のそれだった。
それまでとまったく違う環境。初めて会うたくさんの人たち。
常にある「本当にここにいていいんだろうか感」。

それにしても。
最初のほうのシーン。父親の葬式が済み、電車に乗った三姉妹と見送るすず。そこが本当に素晴らしかったんだ。
電車の中から綾瀬はるか演じる長女さちが「うちに来ない?」って言うんだけど、その後ろでニコニコしてる次女よしの役の長澤まさみと三女ちか役の夏帆
ああ、三女を演じる夏帆がね、すごくいいんだなあ。
綾瀬はるかがすずの肩にそっと手を回す包容力もいいのだけど、とてもあっけらかんとしながらやわらかく優しく笑う夏帆の顔がね、すずをここではない知らない世界にそっとひっぱりだす、そんな力を持ってたと思うんだよ。
もういい加減いい年の私ですが、恥ずかしながらやっぱりかつてのちびっこだった私が心の中にまだ住んでて、急な選択を迫られたときに「この人の笑顔のそばにいくのがいいかな・・・」とまず最初の思うのが夏帆が見せた笑顔ではないかな、そしてそこからあの3人の姉妹がこれから向かうどこか、に、すうっと引っ張っていかれるのを感じたんだ。

映画の中の光、風景、勿論この四姉妹、そしていろんなものがいとおしくなる映画でしたが、もうひとつ特筆すべきはすずの同級生のサッカー部の男の子。
この少年がとてもちびっこで見た目もかっこよくもないところが最高にいいんだわ。そしてどこにも出せなかったすずの気持ちを聞いてしまって、気の利いたセリフも言えないけど何かに気付いたり感じたりする芝居をすごくナチュラルに演じてて、誰なんだこの子はと思ったら是枝監督「奇跡」で主演した「前田前田」の弟だったよ!
いやー、大きくなったなあ。いい味だしてたわー。

とてもしみじみとした、いい映画でした。