おでかけの日は晴れ

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久しぶりのレスリー演唱會DVD一気見の一日

最初は、ちはやさんに「一緒にレスリーのDVDを観る会をしようか」と持ち掛けたのが始まりだった。去年の秋。ちはやさんというのは去年、香港でレスリー・チャンが出演する映画を観て、そこから急激にレスリーに傾倒していった女子である。秋辺りから足繁くうちの店に来てくれるようになった。

 2003年にレスリーが亡くなったあと、レスリーの話を誰かとしているとき心の中にどうしても薄ぼんやりと膜がかかってしまっていたのだが、気付けばあれから時間がこんなに経ち、その膜もようやく消えかかっているのを感じていた。2019年という「今」、ちはやさんはレスリーについていきいきと語る。その彼女と話していると、私の心の中であの1990年代後半から2000年代初頭までの、レスリー、そして香港映画と共にあった幸せ以外の何物でもなかった日々が往々にして甦ってくる。それで私もレスリーの写真集などをごそごそと引っ張り出しては彼女に見せていた。

ある日、ちはやさんは、彼女同様、最近レスリーのファンになったという大阪に住む女子とマタハリに来てくれた。彼女たちの終わらない楽しい会話を耳にしながら、ファンになったばかりの彼女たちと一緒に演唱會DVDを観る会をするのはどうかなと思いついた。ずっと以前は店でよくレスリーの映像をみんなで観る会を開いていたけれど、まったく新しいメンバーでそんなのをやろうかなあと思ったんだ。

最初は私を含めたその3人で、小さく楽しく盛り上がる予定だった。ところが、ここ数年、うちによく来てくれて仲良くなった男子が、人生の節目を前にして遠くに移転することを決めたという。決意。決意と言えばレスリーですよ。私なりに彼を見送りたいし、そして彼にレスリーのコンサートDVD見せたいなあ、うふふ(とですね、ファンとしてはだいたい、なんでもこんな風に理由をつけて自分の推しを人に勧めたくなるんですよ)と考え、ではその男子の友人で映画『ブエノスアイレス』が好きなあの人にも、それなら香港映画を通じて20年前から仲良くしてる男子にも・・・ということで、私を含めた女子3人、男子4人という最初には想像もしていなかったメンバーでの新年会を兼ねた鑑賞会となったのだ。

もうほんとうに楽しかった!

心優しい男子たちといると、なんというか私は自分自身が「ヲバチャン」であるという事実が自分にすっと馴染んで軽くなる。全然気を使うことなくストレスがない。あー楽だ、そして楽しいーー!そういう状態の中、もうひたすらレスリーに集中する7時間!

最初に『今夜不設防』という1990年のトーク番組を収録したDVDを。そして1987年の引退コンサートである『告別楽壇演唱會』、そして1997年の赤いハイヒールに黒ラメスーツでタンゴを踊る姿の艶めかしい「紅」が印象的な『97跨越演唱會』、そして2000年の『熱・情演唱會」、これをわずかな休憩を挟みつつ一気に観ていった。

『告別演唱會』は、何度見てもやはり泣いてしまう。ぷっくりした顔ときれいな瞳のライン。あれ、ちょっと千葉雄大に似てなくなくない? 31歳の、引退を決めたレスリーの緊張感や決意、それを受ける1987年のファンの悲痛な思いを感じると、このDVDの終盤、私はどうしても泣いてしまう。

『跨越97演唱會』の時のレスリーは、アイドルから引退した後、復活して様々な映画に関わってきた自信に満ちているし、力の抜け方が素敵だし、なによりやりたいことをしようという気概に満ちている。登場シーンから胸を撃ち抜かれるし、もうどれほど観ているかわからないのに、最初から最後までただうっとりしながら観ていた。

そして『熱・情演唱會』。観ながらあの頃の、2000年の、2001年のいろいろが唐突に蘇って、幸福であり胸が痛くもなる。でも幸福のほうが圧倒的に勝っている。

そして思い出す。レスリーが「I Love You」と優しく歌う。私たちも客席から I love youと叫んでいた。

私たちは多分、「私に向かって『愛している』と言ってほしい」とは思っていなかった、と思う。

そうではない。

こんなに戦っているレスリーに、

「私は、私たちは、あなたのことを愛しているから! 信じて! 本当にずっと愛しているから! だからずっと歌っていて。俳優でいて。」

そう伝えたかった。誰もこの先、レスリー自死を選ぶとは思ってはいなかった。でもレスリーが複雑な思いを抱えているだろうことはなんとなくわかっていた。彼を守る、ささやかな鱗のようなものになりたかった。だから一生懸命声を飛ばした。レスリー。愛してる!と。

あのコンサートからもう20年が経とうとしているけれど、その時の気持ちはまだずっと忘れないでいる。

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香川からレスリー・ファンの方がこの日のために送ってくださったいろいろの中に、なんと蛍光棒が!しかもレスリーの名前と「誰能代你地位」の文字が。ありがとうございます!

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プロジェクターでみんなで観る映像。それぞれ都合のいい時間に来てくれて最後には7人に。食べきれないぐらいみんなで持ち寄り、笑ったり泣いたりして楽しんだ7時間。本当にありがとう!