おでかけの日は晴れ

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塩田明彦監督「抱きしめたい」

「抱きしめたい」を観てきました。
劇場で何度でか予告を観た印象としては正直観ようとは思わなかったのです。しかし、好きな映画監督のツイートやシオタニアンである友達の勧めで観に行きましたが、とても良かったのだー。実話ベースの話で、モデルとなった人たちに対する愛情を感じる、とても丁寧な作りの映画でした。
良かった、と思う部分はとても細部に渡った何か。ふわっとしててうまく言葉に出来ない。主人公雅己の父親役の國村隼と猫、とか、赤ちゃんが生まれるシーンの前のひたすら走る女の子のカットとか、トランプをしてるつかさと雅己の母親、とか・・。違うカットに変わったときのさりげないけれど新鮮な驚きを生み出す映像に静かに感動しながら観ていました。
ところで、少し前に「ある精肉店のはなし」を観たためか、「差別」ということについてこの映画を観ながら考えてました。
差別を受ける側には、実はその本人にはそれを受ける正当な理由などないにも関わらず、ある括り方で当たらず触らず遠巻きにしながら差別をされています。自分に何の問題も無いのにただ交通事故に遭い、障害者になる。ただ前科を持つ両親から生まれ、育児を放棄される、などなど。
差別ではなく、それぞれに出来ること・出来ないこと、持ってるもの・持ってないもの、の違う人同士がどうやったら共存していけるのか。共存したほうが、人生楽しいんじゃないか?と映画が終わった後、穏やかに語りかけてくるような作品でした。