おでかけの日は晴れ

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タイBLが描く「両思いのそのあと。。」

両思いのそのあとは・・・キスですよね。そしてそのキスのあとは・・・。

多くの実写ドラマでは、それを描いているものは意外と少ないように思います。描く場合も、キスをし、抱き合って、そして・・・、

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朝チュン

漏れ聞こえるスズメの鳴き声。そして肩だけ少し露出したベッドのふたり。

「はい。あとは脳内補完よろしく❤」が定番じゃないですか。そーゆーもんだと思ってましたよ。ピンク映画じゃないんだから。あんまりセックスシーンを描くのはよろしくないものかと。

ところがタイBLドラマは、それを丁寧に描いているものが多いんですよね。しかもテレビ放送で。

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はい!そら私も好きですよ!

「I want NC scenes」ですよ!! 

(『Lovely Writer』 公式パイロットより)

(ちなみに日本でいうR18(18歳以上指定)は海外ではNC-17と表記され、そしてタイでいうNCシーンは肌の露出の多いラブシーンをさすようです)

「好き」と共にある「さまざまな欲望」。そしてその欲望の周辺にある戸惑いや恐れなど。タイBLドラマはそういったものを含め、両思いのあとにあるセックスシーンを積極的に描こうとしているところがとても好きです。

さらに気が付くと、いくつかの作品にはコンドームや性病検査なども描かれているのです。セックスをするのならちゃんとセーフティセックスを。必要な場合は検査を。さらに安全で快適なゲイセックスのために必要に応じてローションも。

日本のBLマンガでローションやコンドームが出てくる場合、セックスに関するリアリティを表出するためのものであることと、そして少々エロ目線のものが少なくないと感じています。「本気で今からヤッちゃうぞ」(コンドームチラ見せ)→「えー、マジで?!」みたいなもののアイコンとしてのコンドーム。

しかしタイBLではそうではなく、もう少し啓蒙的な気がします。

それらの登場シーンを思いつくまま紹介してみたいと思います。

 

★コンドーム★

『Until We Meet Again』第15話。

Pharmは、Deanが買ってきたコンドームに気が付きます。「え、ちょっ、待って。いつ買ってきたのコレ・・・」状態のPharm。

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はい、ここからDeanがマジ顔で皆様にコンドームの必要性を説明しますよ。

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続けて「これはとても重要なんだ」と言い、

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『も、P’Deanったらァ・・・!』と固まるPharm

 

『Love By Chance』第9話

Pondは、親友Aeが恋人Peteとの関係をなかなか進展させないことに業を煮やし、Aeのカバンにこっそりコンドームを入れ、AeがPeteの家にお泊りするよう一計を案じます。

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大学の教室でそれを見つけてお節介なポンドにイラっと来るAe

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でもコンドームはちゃんとカバンに戻し、Peteの部屋に行くAeです。

 

『My Gear And Your Gown』第5話

一夜限りの関係を男女問わず楽しんでいたPure。しかしその相手の一人がエイズに罹ったことを知ります。そのPureの家を訪ねた同級生のWaanは、使われていないコンドームをPureの部屋で見つけます。

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「何故これを使わなかったんだ?」とPureに問うWaan。そして言います。

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その通りだけど・・それが出来なかったPureやで・・・。

 

『2gether』第10話

2getherでもさらっとコンドームが出てきてますね。Tineと同居することにしたSarawatのところへ、Sarawatの親友、ManとBossが引っ越し祝いとして花束のようにしたコンドームを持って駆けつけます。

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サクっと受け取るSarawat。

ちなみに私にとってこれが、初めて観たタイBLで初めて観るコンドーム登場シーンでした。「えー?!」とか「余計なことすんじゃねぇよ!」でなく、イケメンがすっごく自然にこれを受け取ることに最初はびっくりしたなあ。

 

最後に『Why R U?』第9話です。

両思いだし、キスもしてるし、お互いへの性欲もある。けれど俺たち、本当にセックスできるの?それを知るためにお泊り旅行を計画したFighterとTutor。Fighterがこっそり買ってきたコンドームをTutorは見つけてしまいます。

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「あ・・・。見つけちゃった。どうしよ、知らないふりしておこう」とか思ってるTutor。

しかし、いざという時に結局及び腰になってしまうFighterに、妖しい目で「知ってるんだよ~ん」と伝えるTutor。

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もうこうなったら行くしかない。でもFighterはTutorに本当にいいのか聞きます。心も体も、準備はいいのか、と。

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そして、私はタイドラマで初めてこういうシーンを観たのですが、コンドームを取り、その後装着することをイメージさせるカットが入ってます。素晴らしい・・。

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★ローション★

『TharnType』第1話

トラウマからゲイに対して激しい嫌悪感を抱いていたTypeは、大学寮で相部屋のTharnへの嫌がらせとしてTharnの私物を部屋にぶちまけて部屋を出ると、今度はTharnからの報復として自分の私物もぶちまけられてます。お互いの私物が散らばった部屋の中に、Tharnのローションが床に落ちてました。

自身のセクシャリティに誇りを持って生きているTharnは嫌がらせに臆しません。若い男女のセックスではほぼ必要としませんが、ゲイセックスの場合には必要なもので、俺はちゃんと常備してるんだよ?みたいな感じで余裕でローションを見せつけるTharn。これはハイライトシーンを動画でどうぞ。


www.youtube.com

 

『Until We Meet Again』第15話

こちらではPharmが初めてセックスしたあと、Pharmのいとこでもあり隣人のSinがPharmを心配してのシーン。

どうやらSinはDeanにいざという時に使うよう、薬なのかローションなのかを手渡してた様子。そして初めての夜、もしもPharmの痛がる声が止まらないようだったら、セックスを中断するよう部屋に飛び込むつもりだったらしいです。Sinの顔は少しニヤついてはいますが、しかし大マジ。

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タイ人の優しさは隅々まで行き渡ってますね!(お節介すぎないか?とも)

 

『Love By Chance』第11話

そして、ローションと言えば、『Love By Chance』のPeteのこのセリフ。

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・・・・・・・・・・・・。

ニヤリ、としましたよね!ここで!

こんな顔で!!

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しかしですね、BLでは「受け」といいますが(実は私は「受け」という言葉が好きではないです)受け側が、ただ受けてる存在ではないというシーンです。Peteにも性欲はあるし、そしていつでも快適にセックスが出来るように用意するものは自分で用意している、そういうメッセージをとても感じるシーンなんですよ。

 

★性病検査

さらには、万が一のためには性病検査。

『My Gear And Your Gown』第5話

無軌道なセックスの相手の一人がエイズに罹ったことを知り絶望するPure。同級生のWaanはPureを連れて病院へ行き、エイズ検査を受けさせます。

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良かったよね・・・。そしてビビったよね・・・。

 

『TharnType』第4話

公式画像が拾えませんでしたが、Tharnと付き合うことを決めたTypeは、Tharnにエイズを含む性病検査を要請します。なぜならそれまでTharnはたくさんの人とセックスをしてきたことを公言しているからです。その要請をTharnは受け入れ、そしてTypeも受けるべきだと言います。ふたりとも結果は陰性。良かったよね!

 

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さて、タイBLの中に登場するセーフティセックスに関する表現をざざっと思い出したのはこれらの作品でしたが、他にもこういうものがあったよ、という方は教えてください。

ところでこうやって思い出してて気が付いたのが、『Until We Meet Again』『Love By Chance』『My Gear And Your Gown』これらはNew監督の作品なんですよ。New監督は自身の作品に意識的にこういうシーンを入れているということがわかります。

そしてNew監督に関わらず、必ずその前にはちゃんとシャワーを浴びて、というのもかなりの割合で描かれているところも大事なポイント。時に勢いも必要かもしれないけれど、長く付き合っていく相手とは、快適で、安全で、お互いをいたわりつつのMake Love。

そういうところを描いているタイBLドラマにとても魅力を感じて、だいたい心の中はこんな感じで観ています。

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(写真・映像出典はGMMTV、Wabi-Sabi、MeMindY、LINE-TV、Lovely Writer公式から使用しています)