おでかけの日は晴れ

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拝啓 タナミン監督  ~Cheewin Thanamin Wongskulphatについて

タナミン監督~~!(心の中で手をぶんぶん振っています!)

俳優さんたちの言葉を拾うと「P’Chee」とか「P’Cheewin」と呼んでるのでCheewin監督と書くのが正しいのかなと思うのですが、タナミン監督がTwitterやIGで使ってるアカウント「Thanamin_V」からタナミン監督と表記しますね。

まずは2020年の『Why R U?』ではお世話になりました。本当に大好きな作品です。タイ版のDVD-BOXも買いました。そしてあれからあなたが監督している作品をずっと追っかけております。そして観ているといろいろ思うところ・考えるところがありまして、タナミン監督について知りたいことや、出来るならいろいろ聞いてみたいことがいっぱいなのです。それで、ここでいろいろ思ったことやあなたに聞きたいことなど書きますね。

 

タナミン監督の作品は本当に特徴があって、作中にアニメを入れたりパロディを入れたり、神の視点的な声で主人公にツッコミを入れるコメディの手法とかお好きですよね。それから特筆すべきは映像の美しさ、そして色彩設計の面白さです。

色彩設計

色彩設計に関しては、ある意味とても分かりやすく色を配置しています。『You Never Eat Alone』や『YーDestiny』がそうですが、まずは登場人物ひとりひとりにイメージカラーを設定しています。その彼らの色は服装や持ち物、インテリアから、かなり細かい部分にまで及び、とてもポップな印象を受けます。大道具から細かい小道具に至るまでのその色の使い方からバランスを観ていると本当に見事だと思います。さらには道具類だけでなく、照明もその人のイメージカラーをうっすらと入れている場合も多々あります。こういった色彩設計は『You Never Eat Alone』を経て『YーDestiny』でさらに進化したのではないでしょうか。

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黄色のDiew、青のMix。理解しあっているふたりの飲み物の色はお互いのカラーに。

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青のMixの部屋。Mixは絵を描く人なのですが壁面には何故か色見本が。面白い部屋だー。

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ふたりのシーンではMixの側に青い照明を足しています。


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『YーDestiny』9話冒頭。バーでKaengとPuthふたり。ふたりの距離は近いのですが、赤をベースにしてるKaengの方は赤系のインテリアが。

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そして緑をベースにしているPuthの側には緑のインテリアが。他にもお互いの家具や衣裳だけでなく飲み物のコースターやちょっとした小物までそれぞれのカラーを配置してあるこだわりよう。★タナミン監督のラブシーン

タナミン監督の作品の特徴として重要なのは、超絶色っぽいラブシーンを作ることだと思うのです。

2016年のNew監督ら3人でのと共同監督作品『Make It Right』は高校生たちの物語ですがかなり攻めたラブシーンを作っていたと思います。

『Why R U?』ではFighterTutor。Fighter演じたZee Pruk PanichとTutor演じたSaint Suppapong Udomkaewkanjana、ふたりのラブシーンはエモーショナルで美しく、そしてなにより煽情的でした。タイBL作品において、ラブシーンを作り上げることに関する強い意気込みと野心を感じます。

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ラブシーンにおけるSaintの目の動き、指の動かし方、何から何までがすべていきいきとした意味を持っていることに驚きました。どこまでが演出でどこまでがSaintとZeeのふたりで作ったものなのでしょう。いえ、俳優として強い野心を感じるSaintからあの演技を引き出したのはやはりあなたですか?タナミン監督。

考えたら、タイドラマにおいて性描写として出来るのはキス。演出上としては舌は使いません。脱ぐのは上半身のみ。

それでもタナミン監督が作るラブシーンは、お互いが近寄っていくときの胸の高鳴り、触れられたときに敏感に跳ね上がる皮膚感覚、欲情して上がる体温や息の熱さ、そういったものすべてが画面から溢れています。クローズアップの映像では吐息の熱さが感じられるようです。また、俳優たちが脱ぐのは上半身のみとは言え、着衣を脱いでいく行為もとても丁寧に作っていることがうかがえます。さらにはギリギリな表現ですが手を相手の下半身に伸ばすところなども、ラブシーンとしてのリアリティと美しさと煽情的なところのバランスが取れていて、そこに美しいカメラワークと音楽、それがすべてあいまって最高です。これらを4文字で要約すると「どエロい!!」です。

『Why R U?』のあとは『YYY』『You Never Eat Alone』『YYY Special』とコメディタッチの作品が続きました。そして現在、『YーDestiny』です。これは『Why R U?』以来のタナミン監督の性描写への挑戦を感じます。

登場人物は曜日になぞらえた7人の男子それぞれの恋物語で1CP2話ずつで構成されていて短編集のようでもあり、正直言えば脚本としては物足りなさを感じています。しかしこのドラマもラブシーンが素晴らしいと思います。

 特に9話・10話でのKaengとPuthのエピソードですね。このラブシーンももしかしたら『Why R U?』同様、記憶にずっと残るシーンになりそう。

下の動画は9話前半シーンのハイライトです。年齢制限があり、youtubeでのみ直接観ることができます。

 youtu.be『YーDestiny』は俳優経験が一番長いのがTalay、あとは『Why R U?』で一緒に仕事をしたDomundiの子たちの他、新人俳優を多く使っています。印象としては玉石混交。その中でPuthを演じた日タイハーフのTakizawa Toru、彼がドラマデビューとは思えない演技で、なかなかいい雰囲気を持った男子です。タナミン監督はそんな彼を気に入って結構推してません?『YーDestiny』の中でPuthメイン回の9話10話だけでなく、Sunに家庭教師の仕事を依頼する友人として3話4話、Monと寮のルームメイトでありMonのよきアドバイザーとして5話6話と、とてもいいポジションで登場します。Takizawa Toru。決して美少年ではないのだけど様々な表情に求心力のある気になる俳優です。これからの活躍を楽しみにしています。

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★無垢な男の子

タナミン監督の作品には、『Why R U?』Tutorや『YーDestiny』Puthのような妖艶キャラがとても素敵ですが、同時にとてもまっすぐで純粋無垢、そして幼さを感じる子もお得意ですよね。

『Why R U?』ではTommy Sittichokが演じるZonがちょっとそんな感じ。

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そしてMaxNatのNat atasitt Uareksitだよね。(でもNatくんはこれ以降、無垢キャラ脱却ですが)

『YーDestiny』ではやはりKornが演じるMonでしょうか。たっぷりと間を取ったキュルキュルした演技をしています。

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(この子も『YYY』ではこんなキャラだったのに・・・)

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キュルキュルして可愛い男子が勢ぞろいなのは『You Never Eat Alone』ですね。

主役のPeak演じるDiew。Zee演じるMix、Diewの友達のMaeungも、Diewの弟も、Prem演じるDiewの従兄弟も、みんなとても甘くてどこか幼いキュートな男の子を演じています。

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これ、考えたら実際のタナミン監督がこんな感じで可愛い人なんじゃないかなと、いろんな動画を観てて思います。

★タナミン監督の繋がり

可愛いタナミン監督ということでこんな動画を見てください。

タナミン監督が司会で、ゲストを呼んでみんなで一本の映画を観て、それに関するゲームをやった後で感想を言いあうCopy★ A Bangkokのバラエティ動画があるのですが、その第3回のゲストがなんと私の大好きなNew監督なのです。タナミン監督はNew監督をP'Newと呼んでいるのでNew監督の方が年上なのでしょう。アメリカの「Blue Valentine」という映画を観てきゃっきゃしてますが、New監督は勿論いつものごとく可愛いのですけどタナミン監督も結構可愛いのですよ。

youtu.beタナミン監督は『Make It Right』『Make  It Right 2』でNew監督と共同監督をしています。そしてこの動画ではこのふたりは結構どつきあったりしてますし、なんなんでしょうねえ。仲いいみたい。

『You Never Eat Alone』にNew監督の『Until We Meet Again』のサブCP、BounPremが出てきたこととか、『YーDestiny』の音楽で『Until We Meet Again』や『Love By Chance』での曲が使われてるのがちょっと不思議だったのですが、タナミン監督のNew監督リスペクトってことなのでしょうか。この辺りのこともタナミン監督に聞きたいところです。

 また、同じ動画のSaint・Zee登場回では、Saintから「監督はアサンプション高校での先輩ということで知っていた」との発言があります。そんなに古くからお互いを知ってたんですね。『Why R U?』はプロデューサーがDomundi TVのプロデューサーであり、そして出演者の殆どがDomundiのメンバーの中で、Saintが或る意味アウェイな状況でのキャスティングだったのかなあと想像していました。しかしこのドラマの前からSaintとZeeが知り合いだったように、タナミン監督とSaintも繋がりがあったということなのでしょうか。多分、それほど広くもないタイドラマ業界で、例えば事務所や過去作を越えたいろんな人たちの繋がりを知ることができるとなんだか嬉しいですね。

この動画は字幕が付いているので非常に楽しめます。そしてSaintがTutorのようでなく、ZeeがFighterのようでないところもまた興味深いです。

youtu.beタナミン監督とSaintは『Why R U?』以降は一緒に仕事をしていません。実はそれがなんとなく気になってたんですが(ファンはいつでも心配性です)、Saint初のプロデュース作品にして本人も出演する『Secret Crush on You』を監督するのはタナミン監督でした。なんかほっとしました!『Why R U?』であそこまでいい仕事をしたSaintは、次のステップのためにこれまでいた場所や与えられる役柄から離れたところに行きたいのだろうと想像していました。でも私はBLというジャンルの可能性を信じてて、その中でSaintにはさらに多くの役に挑戦してほしいと思っているのです。そんな中で初プロデュース作の監督をタナミン監督にお願いしたということに、タナミン監督への信頼とSaintの『Why R U?』に対する自己評価の高さをうかがえるような気がしました。

あと、タナミン監督の繋がりと言えば、Tee監督作『Lovely Writer』へのゲスト出演でした!ドラマ公開前のイベントで司会者役として登場のタナミン監督!衣裳もステキでした。

★ところでちょっと気になるところ

いち視聴者として、タナミン監督に興味があって追いかけていく所存ではありますが、演出方法としてちょっと気になるところを述べてもいいでしょうか。

まずは「音」です。

タナミン監督が作品中で使用する楽曲はすごく好きです。『Why R U?』ではかなり多くの楽曲を使ってました。

『YーDestiny』ではエンドロールに使用曲に関してミュージシャンの他、プレイヤーすべてがクレジットされていていることにとても好感が持てます。タナミン監督が作品の中でオリジナル楽曲を大切にしていることがわかります。ただインターファンとして個人的なことを言えばこうした歌モノのオリジナル楽曲の他に、シーンの背景で流れる音楽を作っている制作会社またはミュージシャンがファンとしては知りたいです。(多分クレジットされてるのですが読めない・・)

で、気になるのが、『Why R U?』でいろんなシーンの背景に使われていた曲が『YYY』でセルフパロディとして使うのは・・・微妙なところですがとりあえずはアリだとしましょう。『YYY』自体がパロディ満載の作品ですから。

でも『YーDestiny』で『Why R U?』で使用した曲を使うのはどうなんですか。そしてNew監督作『Until We Meet again』や『Love by Chance』で使っている曲を使うことも。これはタイドラマあるあるなんでしょうか。もしかしたら楽曲を作る制作会社が同じで、それらは使いまわしてもいいことになっているのでしょうか。

ただ、ドラマのファンとしては、それぞれのシーンの感情とその背景にある音は連動していて、そんなにお互いが遠くない時期の同ジャンルでの音の使いまわしは、キツイわあ・・・。多分これは予算の問題よね。そう考えるとタイドラマがさらにヒットして予算が潤沢に取れることを祈るしかないかしら。

そして前述したように音楽を大切にしてるだろうタナミン監督ですが、時折「音、多過ぎ!!」って思うんですよね。音で演出するタイプの監督だと思うのですが、感情が載る大事なシーンで(例えば『Why R U?』でTutorがFighterに別離を告げるシーンとか)とにかく何曲かを連続で繋げて流す演出方法。視聴者は確かにその音でさらに気持ちが上がるし私など何度見ても泣いてしまうのは音による部分もかなり多いことは間違いありません。でもやはり「音、多過ぎじゃね?!」とは思うんですよ。あと『YーDestiny』では違う音楽がどちらかをフェイドアウトさせて次にフェイドインさせるのではなく、同時にふたつが鳴ってたりして、あれもどうかなあと思うんですよ。ちょっと監督にこの辺りの話を聞きたいものです。

あとは・・・タナミン監督がいい脚本に巡り合えることを祈ってます。

タナミン監督は感覚の人ではないかと思うんですよね。映像美、色、音、間合い、を大切にしているのですが、どの作品も脚本がもう少し良かったらなあと思うことが多いのです。『You Never Eat Alone』などを見ているとところどころにタナミン監督のセンシティヴなところを感じるのです。この後、もっともっといい脚本に出会えて素敵な作品を作り続けてくれることを祈ってます。

 

★ちなみに『YーDestiny』で使用されてる楽曲は「Spicy disc」というレーベルのアーティストの曲のようです。

www.spicydisc.com

さて、ちょうど今日はU-NEXTで『YーDestiny』11話が配信されたところです。回ごとにどんどん面白くなってきている『YーDestiny』。

これからもタナミン監督の作品を楽しみにしています。

[ Cheewin Thanamin Wongskulphat監督Twitter] @ThanaminV