おでかけの日は晴れ

現在はこのブログにあるものすべて下記のサイトに移行し2021年7月6日でこちらは停止しました。以降は、左記の新サイトをどうぞよろしくお願いします。 https://ameblo.jp/mioririko

BL作品について考える

今、私の仲良しゲイ男性たちとネットで会話をしつつ、もう何度も観ている『A Tele of Thousand Stars』通称1000starsを再視聴している。で、友人たちの感想を聞くうちに私はあることに気が付いた。例えば友人の感想では2話の滝に連れて行くシーンで隊長はゲイだと確定、その他、後半の隊長が裸を露呈するシーンとか、実は私とはいろいろ解釈が違うのである。それを聞くことで改めていろいろと気が付いたことがあった。

それを語るにあたり、改めて「BLドラマとは」と考える必要がある。現在のタイBLを観ていて、ざっくりと以下の3つに分けられるのではないかと思う。

★The BL

ここ最近のタイドラマの作品でこれぞ「The BL」だと感じたのは『YーDestiny』。

一応、登場人物には女子もいる。しかし、まさに壁に飾られた作者不詳の安い絵ですか?ぐらいの扱いである。登場人物ほぼ男子。男子が恋をする相手は男子。それが当たり前。現在好きな男子の前に付き合っていた相手も男子。友達の男子が男子に恋をしたり失恋したりすることを応援するのも慰めるのも当然の世界。

特色としては登場人物が多く、物語性と言うよりも様々なCPの様々な物語を楽しむものが多いように感じる。それぞれの俳優、または演じているキャラクターへの愛情が沸きやすく、CP推しという視点で観ることも多い。

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YーDestiny MV

異性愛がベースのBL

実はこれが昔からあるBLパターン。「君だから」説。

「僕はゲイではない。でも君だから好きになったんだ」

「君が好きだという気持ちが何より大切だ。だから君が男であることは気にならない」

「男でも女でも関係ない。君だから好きなんだ」

ときみだからきみだから言うてますよ。見逃してはいけないのは「僕はゲイです」とは一切言っていないこと。

これを『2gether』で考えてみたい。

まずタインは、過去に付き合ってきたのはずっと女性だったと公言している。それまで同性を好きになったことはなさそうである。それでもだんだん同性であるサラワットに惹かれ、勿論最終的には恋人同士になっている。

サラワットの場合は、高校時代にタインに一目惚れをしている。しかしその前に同級生女子にほのかな思いを抱いていたようだ。が、タインへの想いはそれとは違っていることに自ら気付いたようだ。

ここでサラワットはゲイではないかとほのかに匂わせている。だが問題は、どうやらこれはサラワットの初恋らしく、彼の性志向はそれまでどこに向いていたのか、この先はどうなのかということは明確には描かれてはいない。例えばもしもサラワットがタインと別れる日が来たとして、その後恋をする相手は同性なのか異性なのか。その発想を遮断しているのがお互いに対する唯一無二性だと思っている。その点ではこれも「異性愛ベースのBL」ではないかと思うのだ。

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2gether

★ゲイがメインのBL

ゲイが観てその描き方に納得する、ゲイが登場するBLドラマ。これは今までのBLというジャンルの拡張系、または進化系ではないかと私は考えている。

実は「異性愛ベースのBL」と「ゲイがメインのBL」の差が女性には曖昧なままの場合が多いのではないかと気が付いた。というか今、私にとっての『1000stars』がそうだった!

先に『ITold Sunset About You』『I promised you the moon』で考えてみる。この2つは「ゲイがメインのBL」だと思う。BillkinとPPが演じるTehとOh-aewの描かれ方を見てみよう。

Tehの初恋は高校の同級生女子である。その想いの中には性欲もあった。しかし後にOh-aewと恋人になる。シーズン2である『I Promised You The Moon』では同性のJaiに対する想いは恋だったと思われる。しかしTeh初のドラマの共演者女性は実際に付き合っていたと言っている。Tehはバイセクシャルとして描かれていた。

Oh-aewは初恋も、その後好きになるのも男。高校時代から自分がゲイであることをはっきりと気付いているのだ。

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I Told Suset About You/side story Last Twilight in phuket

さて『1000stars』の5話。ここでティアンは親友のトゥンにカミングアウトをするシーンがある。と同時に場所を違えてプーパー隊長も友人たちに隊長の想いの在りかを問われているシーンがある。

ここでティアンが問題にしているのは「自分の恋は、ゲイだから隊長に向かうのか、それとも移植された心臓の持ち主トーファンが隊長をすきだったからなのか」だった。私の当時の感想も少しそこに引きずられていたし、それよりも一番衝撃だったのはティアンのカミングアウトを受けたトゥンのセリフで、このシーンは放映時からいろんな国のいろんな人たちから絶賛を受けていた。

しかし私はこの物語をまだ「異性愛ベースのBL」の境界に置いていたことに改めて気が付いたのだ。何故かと言えば、友人であるゲイの彼はこの物語が最初からプーパー隊長・ティアン共々、ゲイであるという前提のもとに描かれていると主張したからだ。そしてシーンの中にある彼がそう思う根拠を示してくれた。それがもう私にとって悉く納得だったのである。シーンの中にあるちょっとした違和感などが「彼らがもとより自分及び相手がゲイであることを知っている」前提で観返すと、今まで見ていたものと少し違ったニュアンスのものが読み取れるのである。

これはオープンリーゲイであるAof監督の細やかな演出によるものだと言ってもいいかもしれない。大胆ではあるが細やかに、タイの都会と電気や水道もない田舎、富裕層と貧困、生と死、その世界を行き来するゲイである男性二人の物語になっている。決してそこにあるのは異性愛をベースにしていない。どちらがいいとかそういう問題ではなく、あくまでもそれはBLジャンルにおけるカテゴリーの違いなのだが、このふたつの違いははっきりと認識して観るべきだと思っている。

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1000stars EP3

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1000stars EP3

 

SaintSupTV EP7 「出家をしたいと思っていた理由」

SaintくんのYoutubeチャンネル、EP7でも自分について語ってくれています。ずっと彼のインタビューなどが読みたかった私は本当に嬉しいです。特にEP4に続き、このEP7でも彼の人生哲学が述べられています。正直、途中から私は涙なしには見られなかった・・・。
今回は中学2年から3年に上がる頃に初めて出家をしたことから語っています。
ところで彼の話にはよく母親のことが出てきていました。お母さんにしばらく会っていなくて寂しいとか。でもIGにも話の中にも父親のことが出てこないなあとは思っていたのです。しかしEP4で「父親は自動車関係の仕事をしていて」と語っていましたね。私にとってSaintくんが父親について語るのを読むのはあれが初めてでした。でもこのEP7では、彼が普段の話の中で父親について語らなかったことが明らかにされます。
この動画はタイ語で話すSaintくんの言葉を英語に翻訳されていて、それを邦訳してみました。今回は仏教用語が多く、それを英訳している時点できっと対応する言葉がないものもあるのではと思います。私も仏教には詳しくはありませんがそれを私なりの日本的な知識で訳してみました。例えば「I get ordained」と英訳されているのは「出家した」にしました。さらに前置きしておきますがほんとこれ、自分の興味と覚書のためでして、私は英語は堪能ではなく、間違いもあるかと思いますので、もしお気づきの点があれば遠慮なく教えてください。
なお、今回は話していることすべての邦訳ではなく、途中はかなり端折りつつ、アレンジしています。元のYoutubeはこちらです。

youtu.be・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今日は僕が出家したときのことを話します。僕は中学校2年から3年になる頃に出家しました。そこではとても楽しくて、静かで、そして悲しいことなどたくさんのことを経験しました。
僕は何故出家したか。8年生(中学2年生)が終わった後で友達と一緒に出家をしようと予定していました。僕の夢は僧になることです。日常的にdahrma(ダルマ。仏教でいう法。仏教的な法則や真理など)を実践する生活をしたい、長期間の出家をしたいと思っていました。
ある時、僕はある僧侶に出会いました。ノンカイ県のワット・ヒン・マクペン(Wat Hin Mak Peng)から来た僧侶です。

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SaintSupTV EP7

(註:こんな閑静なところにあるお寺です)

youtu.beノンカイ県から来たその僧に母が寄進をしていました。その僧は僕に出家するかと言い、僕は即座に「はい」と答えました。僕の住むトラッド県とはとても離れていました。

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SaintSupTV EP7

でも僕はそこで出家をすることを決めました。ワットヒンマクペンは鬱蒼とした森の中にあり、まるで映画の中のようでした。

寺院についてもすぐに修行ができるわけではなく、まずは指導者を待たねばなりません。そして経文の暗唱が出来なければ出家ができません。
 
出家の話をするにあたり、父親の話をしなければいけません。僕は父親に出家することを電話で伝えました。ちょうど出家するときに父親は仕事を終え、会いに来てくれました。黄色の僧服に身を包んだ僕を見て、父親は喜んでくれました。
(註:タイでは20歳以下の短期間出家の子供を「ネーン」と呼びます。そして子供の出家は大変な親孝行だそうです)
 
寺院では衣食住に関して多くの戒律があります。お昼12時以降は食べてはいけないのでとても空腹でした。どんなときでも落ち着いた気持ちで、静かに。ゆっくりと自分の体のバランスをとっていくのです。
朝4時起きで4時半から活動し5時から托鉢に出ます。8時ごろには托鉢が終わり、祈りと瞑想のあと、托鉢で得た食べ物をみなで分け合って食事します。寺院を清掃することで、清掃することが及ぼす心の状態について学びました。
また、河のそばにある崖に登ってそこから落ちて怪我をしたことで自制心についても学びました。
そして僕は何故か虫に好かれました。瞑想中は電気を消していますが自分の周囲にだけは毎日、たくさんのアリやヤスデが寄ってきました。寝ている時も虫がいっぱい僕に止まりました。(註:出家中は殺生禁止。蚊を殺してもいけないそうです)
4月17日。僕の誕生日です。
母親が来てアイスクリームをお供えとして持ってきてくれました。母は他の修行僧にそれを渡したそうです。僕はアイスクリームが大好きでずっと食べたいと思ってました。そして出家中のその1か月でそれを食べたのがこれが初めてでした。
奇妙だったことは・・・その日は朝から母親が40回か50回も電話してきていました。でも出家中は母親と接触できないしコンタクトをとることも出来ません。
あなたは家族の絆について聞いたことはある?
あなたは信じる? 私たちはお互いに繋がることが出来るって。
父親は病院で昏睡状態でした。
父はその日は忙しく、寺院で僕を見たあと、休憩をとり、それから仕事のためにバンコクへ戻りました。バンコクから寺院まで来て、そしてまたバンコクへ戻ったのです。そのとき、突然父は心臓に激しい動悸を受け、すぐに病院に行きました。その時に母親は何度も僕に電話をしたけれど僕の携帯は鳴りませんでした。僕はその時、托鉢を終え、容器を洗っていました。ちょうどその時間、父は亡くなりました。そのとき僕は何故かはわからないけど泣きました。何が起こったのか知らないのに泣き止むことが出来ませんでした。友達はまだ僕に「誕生日おめでとう」と言うのに、僕は何故か悲しくて洗いながら泣き続けていました。他の修行僧にどうしたのか聞かれたけれど僕にはわかりませんでした。
しばらくして僧侶に呼ばれました。ずっと泣いている僕を見て「あなたはすでにそれを知っているのか」と尋ねられました。すでに母親から聞いたのかと。「僕は何も知りません」と答えました。僧侶は父親が亡くなったことを僕に告げました。僕は泣きやみ「なんて言いましたか?」と聞きました。僧侶はもう一度僕に言いました。僕は父を亡くしたことを知り、とてもショックを受けました。僕の体は赤くなりそして発熱しました。熱がどんどんと上がりました。ショックを受けたことで体がその影響を受けたからです。僧侶は僕に「バンコクに戻りなさい」と言いました。
僕はその日のフライトを見てみましたが無く、バスで帰らねばなりませんでした。
父の死後、僕は泣くことはありませんでした。なぜなら、もし僕が泣いたら・・・母が泣くでしょう。母のため、強くなる必要があったのです。母や家族を守る必要があります。その時の思ったのことは、人生のすべてを受け入れることができる、ということです。最後僕たちは土と灰に還る。それが人としての自然です。消滅し、そして大切なものが残る、そこから学びを得ることが人生だと。

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SaintSupTV EP7

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SaintSupTV EP7
僕は母に、残りの人生のために出家したいと言いました。すでにいろいろ調べ、考えに考えました。家族が期待している通り、勉学することを手放さず、勉強を続け、大学を卒業し、そして高いレヴェルの僧侶になることを考えました。
しかし、寺院で僧侶は、すべての人が仏門に入って僧侶になる以外の道を教唆しました。あなたは普通の人間だ。しかしあなたはいつか、僧侶になるのと同様に多くの人を助けることができる、と僕に言いました。それで僕は仏門には入らず、普通の人となったのです。SaintSupになったのです。
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以上です。
お父さんを亡くしたのが約10年前。それを話すSaintくんの顔がちっとも悲しくなさそうなのが私には却って泣けてしまいました。多感な時期だし、更には経済的にも父親を亡くすことは本当に大変なことです。それを乗り越えてきたんだなあ・・・。私など20年前に亡くした妹のことを話すだけで未だに泣けるのですが、Saintくんは強い意志を持って自らの力で乗り越えてきたのだということがよくわかります。彼のことをもっと知りたいし応援していきたいと思います。
 

わたしは腐女子として考える

昨日は 腐女子のわたしと友人腐男子ゲイふたりの3人でオンラインミーティングを行いました、の2回目でした。

1回目はこちら

mioririko.hatenadiary.jpちなみに1回目のミーティングについて書いたブログでは友人たちを男性とのみ書き、セクシャリティについては書いてませんが今回は冒頭で改めて書きました。今回書くことは、彼らがゲイであるということが重要だと思うからです。ちなみにわたしは感覚的にバイセクシャルなのかなと思ってたのですが、今更ながらネット診断をしてみたり、彼らからバイセクシャルパンセクシャルの違いを聞くにつれ、性志向としてはパンセクシャルだろうと思います。

 

さて昨日もいっぱい話したなあ。気が付いたら5時間半も!

今回はタイドラマ『Why R U?』について話そうって言ってたんですが、台湾の『約定』の話から始まり、それから『Why R U?』や『YーDestiny』などに登場する俳優のお互いの好みの話になり・・・。 腐女子のわたしとゲイの彼らとは好みが殆どかぶりません。それぞれの俳優の好みの違いがすごく面白かったです。わたしの場合は見た目が優先しません(顔など覚えるのが苦手で、視覚的要素がどうやら優先しないタイプだからだと思います)。顔や雰囲気よりも芝居がうまいとか、計算された演技をするとか、俳優としての野心を感じるとか、そういうところから俳優を好きになっていくようです。そしてそういうタイプの俳優はBLでいうところの「受け」側を演じることが多いような気がするんですよね。

それに対して友人は言います。「僕らはまず見た目なんですよ」と。好みはそれぞれですが、ガタイがいいとかマッチョとかぽっちゃり型とか髭がとか体毛がとか、その見た目からまず「イケる!」みたいに入っていくというんですね。なるほど~。

そんな話で盛り上がりつつ、タイドラマ、台湾ドラマ、アメリカンドラマ、日本ドラマの比較になっていきました。

友人の一人はNetflixで配信されているアメリカの医療系ドラマについて推します。男女数人の医師メンバーの中にはゲイの医師もいるということ。そしてセリフの端々にLGBTに対するエンパワーメントを感じる、と言います。

「最近は特に、ドラマの中にそういったエンパワーメントを感じるものが好きなんですよ」と彼は言いました。かつては、マイノリティであるがゆえに引き起こされる悲劇を描いた作品のほうが多かったと思います。そうやってマイノリティの存在を世に問う、という方法論はあります。でも、それではいつだってずっと悲劇なの?報われないの?辛い思いをしないといけないの?ってことですよね。今はそうではなく、いろんな人たちに明るい未来を提示したり希望を与えてくれたり、または様々な指針を与えてくれる作品作りが盛んです。それは決して「甘い内容に溺れて悲惨な現実を見ない」ということではない、と思うのです。わたしはタイや台湾のBL作品を観たり、そして彼らと話すことでそのことを強く意識するようになりました。

そして台湾BLドラマ、タイBLドラマの変遷という話にいつも通り花が咲きました。とくにタイBLドラマにおける様々な意識のアップデートはほんとうにすごいよね?!というところはわたしたちの全会一致するところ。

例えばタイBLで今なお人気を誇る大ヒット作『Sotus』が2016年。あの作品の中にあるLGBTに関する感覚や捉え方、セリフの言葉選び。それらは「もう今ではちょっと古い」と友人は指摘します。しかしその頃からたったの5年で意識はアップデートされ、新しいBLドラマに反映されています。例えば2021年の間違いなく問題作となった『Lovely Writer』。Tee Bundit Sintanapatadee監督は自ら監督した2020年の大ヒット作『TharnType』を翌年、『Lovely Writer』内で自己批判を入れつつ描きました。この作品はこれまでのBLドラマをまた一歩進めたものになっていると思います。これは本当にすごいことじゃないですか?

そこで「では日本のドラマはどうか?」という話に。

古くから日本のドラマには、ゲイを描いたり、または登場する作品は幾つもあるよね、とわたしたちは思いつくまま『同窓会』『必殺仕事人』『悪魔のようなあいつ』『剣客商売』などのタイトルをあげました。友人が2018年の『隣の芝生は青く見える』はどう?と言いました。実はわたしはあのドラマをほぼ観てないんですよ。それでも「わたさく」は知ってたし、当時のツイッターのわたしのTLではわたさくはとても人気でした。「あれ、第1話放映後にわたさくのキスシーンにクレーム入ったんだよねえ・・・」と友人が。「え、マジで?!」とわたし。深キョンのドラマと言うよりはみんな眞島秀和北村匠海演じるわたさくにハマってると思ってたのにィ~。ゲイカップルのキスシーンを不快だと言ってクレーム出す人がいる・・・それが 腐女子のわたしとしてはちょっと信じられない感覚です。

この数年ですと『おっさんずラブ』『his』『ポルノグラファー』『きのう何食べた?』『チェリまほ』『Life 線上の僕ら』・・・他、様々な作品が作られています。わたしたちはどの作品もそれぞれ楽しんでいるし、それぞれに大好きなものも幾つかあります。それでも、制作者の中に当事者はいないのではないかとか、捉え方が表層的ではないかとか、そういった問題点を上げられる作品は幾つもあります。

恋愛で結びついた関係の先にはセックスもあるわけで、そこを日本のドラマでまるっと描いていないというところにわたしは昔から不満を持っています。昨日はこの話は出なかったのですが2015年『偽装の夫婦』にはそういう苦い感想が残っています。沢村一樹演じるゲイ男性と天海祐希演じる独身女性が家族からの圧力で偽装結婚をするという話でした。最後はふたり、かけがえのない人生のパートナーとして本当に結婚するのです。しかし男性の性志向はゲイのままですし、女性はその彼に昔から愛情を感じています。だからこそ、その後の彼女の性欲はどこに向かえばいいのか?というのがわたしの疑問点です。それに関してドラマは一切触れていません。

現在のタイドラマでは、それぞれの性志向、性欲、そういったことにも過激ではなくごく当たり前のこととして描いています。多分、予算の問題なのか、日本のドラマの方が音の良さや映像の美しさ、ロケの多さなど、品質としてのクオリティで勝っている点は多いです。でもわたしたちが見ているBLドラマに関しては、描こうとしている内容、様々な意識のアップデートなどは日本のドラマよりもタイのほうが勝っているのではと痛感するのです。

それからわたしたちの話は『I Told Sunset About You』と『I Promised You The moon』の話になりました。

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I Told Suset About You

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I Promised You The moon

わたしたち3人とも新作の『I Promised You The moon』は未見です。友人が言うには日本だけでなく様々な国でこの新シリーズが物議をかもしているそうで、その理由はどういう点にあるのだろうということを話しました。いくつかの国の視聴者の声をネットで読んだ印象ですが、どうやら多くの視聴者が恋愛関係における1対1信仰というか純愛信仰と言うか一人の人と添い遂げるということに重点を置きすぎてはいないか、という話になりました。観ている我々にだって過去や迷いや紆余曲折はあると思うのですが、フィクションの世界を観る時、自分が愛していたカップルのどちらかのキャラクターの心が揺れ移ろうことに対する拒否反応はなんだろう、というのがわたしの実感です。

よくBLドラマで使われるセリフで「俺はお前が男だから好きなのではなく、お前だから好きなんだ」的なセリフ。または「俺はゲイじゃない。けれどお前だから好きなんだ」ってやつ。友人たちは以前から「このセリフには隠れたホモフォビアがある」と指摘しています。わたしは「これは純愛信仰、または1対1信仰から来るセリフではないか?」とも思うんですよ。

そんな話から今度は「カップリング固定についてどう思う?」と言いました。

要は「左右固定」というものです。例えば『Love by Chance』で言えばAePete。

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Love By Chance

攻めのAe(Perth)と受けのPete(Saint)でAePete、というBL的表記です。そこではPeteAeというのはありえない、ということなのでしょう。

しかしですね、AeがPeteよりも小柄というところがこの作品のひとつの萌えポイントとなっていて「そこ、さすがNew監督じゃない?彼はちゃんとわかっているよ!」と友人が言いました。そしてさらに興味深いことにあの作品のスピンオフ『Reminder』ではSaintが攻め、Perthが受けに、そして『2wish』でもTinとCanの関係性が逆転してるっぽいんですよね。

ゲイである彼らは言います。「攻め」「受け」っていうのが固定ってのが感覚としてありえないんだけど、と。ゲイ用語ではタチとネコ。タチの数のほうが圧倒的に少ないんですよ、と円グラフを提示してくれながら説明してくれました。もう一方の友人も「出会ったらお互いネコ同士だったので仕方なくどちらかがタチ役で、とか、ネコだった男性が歳を重ねるにつれタチに変わることは大いにありうるよ」と語ります。「ほ、ほう~~~」とわたし。いや、ここではタイ式に「お、ほぉーーー⤴」と言いたい気分よ。

友人はゲイの関係を男女の関係に仮託するのは違うと思う、と言い切ります。もしかしたら「妻」と呼ばれたいゲイ男性はいるのかもしれませんが、わたしの友人ふたりは自分とパートナーを指す場合「夫と夫」と表記しています。わたしもBLの「受け」を極めて女性に近く描くのは、私の嗜好としては好きではありません。仮に男女だとしても、女性がいつも「受け」る側とはとても思えないのです。そういう意味で左右で表す「攻め受け」そしてそれを固定すると言う考えにわたしは不自由さを感じています。(ちなみにアメリカではタチ・ネコで左右表記することがなく、発音しやすいほうを先に持ってきたり、またはふたりの名前をミックスして表記したりするそうです)

それでわたしたちは、わたしたちの愛するアジアBLドラマがもっともっと自由になっていけばいいよね、という話になりました。関係性なんて、それがセックスにおいてもそうでない部分でもどんどん変わっていくし、それを当たり前のこととして描いたほうが面白いよね、と。

そうは言っても攻め・受けっていう関係の話は彼らもわたしも萌え転がってしまうわけです。きゃっきゃしながらこんな話をしました。例えば台湾のHIStory3『那一天』で言えばハオティエンが攻め、という設定なのでしょうけど「ハオティエンが受け、シーグゥが攻めのほうが良くないですかぁ?」と友人が言います。私は頭の中で彼らのシーンを巡らせます。「ハオティエン・・・、それ、アリだね!」とわたし。「『約定』のメインCPってどっちがどうなんだろう。僕としてはアーロン・ライのほうが受けのが萌える」「なんかわかる~」・・・みたいな感じで。ほんと、背の高いほうが、ガッチリしたほうが、年上の方が「攻め」みたいな感覚にはやはりベースとして「男女こうあるべき」な刷り込みがあると思うんですよ。で、反対に言えば「萌え」とはその刷り込みや思い込みを裏切るところにあると思うんです。

そうね、萌えって、それは「自由」に直結してるわよっ❤

あとね、友人がこう言ったことにも私ははっとしました。

「NHKの大河ドラマや朝ドラの登場人物の中にLGBTが登場してほしい」って。

うわーーって思った。ほんとそうだよね! それについて今まで思い至らなかった自分をすごく反省したわ。すごい脇役とかまたは道化とか都合よくメインキャラに説教したり教え諭したりする役とかじゃなく、普通に、当たり前に、登場してよくない?だって実際にそういう人たちはいっぱいいるんだもの。当たり前に生活しているんだもの。たくさんいる登場人物の中にLGBTの登場人物がひとりもいない、なんてほうが不自然な話だよね。

そんなわけで昨日もこんな話をしながらとても楽しい時間を過ごしました。

これを読んでくださった誰かとも、いろんなお話が出来れば嬉しいです。

SaintsupTV EP5 「50Facts About Me」

私はずっとSaintくんのインタビュー記事があったら読みたいと思っていたのですが、最近、Saintくんが自らのYoutubeチャンネルで語ってくれています。英語字幕付きなのでそれを邦訳してみました。(間違えてるところあったら遠慮なく教えてください!)

2021年6月19日にアップされました。つい先日、Saintくんはアカウントをハッキングされて不正ログインされたそうです。その直後に「50の事実を話す」というからちょっとドキドキしたんですが・・・こういう可愛い内容でした❤

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今日は僕に関する50の事実について話します。このトピックにはたくさんの人からリクエストがありました。

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①名前はSuppapong Udomkaewkanjana

②チューレン(ニックネーム)はSaint。Saintは1997年か1998年の映画「The Saint」から。

③Saint SupのSupは僕のファーストネームから。でもママはLuksupって呼びます(Lukは息子または娘のこと)。縁起のいい名前です。

④幼稚園はMardanusorn幼稚園。小学校はKitti Wittaya school卒、中学校はTratakankun school卒、高校はAssumption Bangrak Bangkok(タイの高校ランキングでかなりの上位高)、大学はSrinakharinwirot大学経済学部

⑤経済学部を選んだのはSaintsupTV EP4で語っているが、不動産についてのビジネスを始めるチャンスを得たため。大学に入学時はビジネスマンになりたかった。自分でビジネスを始めたかった。それで経済学部に決めた。

⑥身長181cm

⑦体重は不安定だけど65kg~67kgか68kg、昨夜は65.08kgなので嬉しかった。

⑧シャツのサイズはLサイズ

⑨パンツのウエストは31~32インチ(78.74cm~81.28cm)

⑩体のパーツで好きなのは手。顔をきれいに洗ったり美味しいものを食べさせてくれたりするし。そして物事を達成するために自分自身の手で何かを成すことに誇りを感じます。だから僕は手が一番好きです。

⑪出身はトラート県。幼いころから今に至るまで。(バンコクから315km離れた、タイ東部のうち非常に人口の少ない県で、白い砂浜やサンゴ礁マングローブ林に恵まれた美しい海沿いの風光明媚なところだそうです)

⑫お気に入りの食べ物は卵料理

⑬大好きなスイーツはアイスクリームと美味しいドリンク

⑭怖いことは、いつか行動したり改善したりしなくなること。何かに熱中するのをやめたり、何かをする情熱がなくなった時。

⑮エンターテイメント産業に入ったのは10年生(日本でいう高校1年生)の時。広告モデルからです。かつてはエキストラをたくさん演じました。撮影環境はどんなふうなのか知りたかった。エンタメ産業について学びたいと思ったらそこに身を投じる必要があると思っています。僕はそれを楽しんでて、どんなに興奮したかまだ覚えてます。

⑯最初にシリーズとして演じたのは「Love By Chance」

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⑰最初の映画は「Von The Movie」。4つの短編が入った作品なので主演ではありません。興味があったら僕に連絡してね。いろんな映画やドラマに出演したいです。

⑱血液型はAB型

⑲僕のチーム、IDOL FACTORYでは「BOSS」と呼ばれている

バンコクに勉強に来た理由は、僕が読んだ本に、旅には多くの学びがあり成長できるとあったから。それで自分の夢を思い返した。何がしたいか、何になりたいか。僕は起業したい。それでバンコクに行くことを決めました。それで今に至るまでバンコクにいます。

㉑モットーはなんでもやってみることと失敗を恐れないこと。失敗はより強い教訓になるから。

㉒2541年(西暦1998年)4月17日生まれ(タイは仏滅紀元

牡羊座

㉔干支は寅年

㉕起きた時に一番最初にするのは食べること。水を飲み、スープ状にした鶏胸肉とホエイプロテインを摂ります

㉖幽霊は怖いかと言うとそうとも言えないけれど、見えないものは怖い。暗闇は怖いです

㉗好きな映画はスーパーヒーローもの。アベンジャーズジャスティス・リーグなどのDCコミックもの

㉘今ハマってるのはエクササイズと読書、ポッドキャストを聞くこと、哲学と概念。新しいシステム思考の概念について本やポッドキャスト電子書籍などからその知識を得ています

㉙もっとも熱狂的にハマっているのは車と食べ物です。子供の頃から。

㉚おなかが空くと頭痛がします

㉛ひとりっこです。いとこはたくさんいて自分が一番上です。おばあちゃんは「あなたが誇らしいよ。いとこの面倒もみて」と言います

㉜自分は陽気な人だと思う。冒険が好きで冒険的な人間だと思う。すぐ笑うし面白い人

㉝気分が悪い時は、まず問題を調べます。本当の問題点は何か。そしてそれを直そうとします。もし修正できない場合は手放します。ポイントは手放すことです

㉞好きな動物は龍です。この世に存在しないすべての生き物が好きです

㉟ペットとしては猫、犬、ネズミです。以前は親戚や友達のペットの世話をしていました

㊱みんなは僕を3歳だって言うけれど、違うからね。僕は23歳です。23歳は大人?かもしれないね

㊲愛の定義。愛とは自転車のようなものです。長いこと乗ることができるし遠くまで行ける。車輪が僕の心。私の心の中にあなたがいるから。

㊳ウォーレン・エドワード・バフェットのような投資家になりたい。アインシュタインの宗教間の比較の方法論がとても好き。諸葛孔明のような統治力がほしい

㊴変えたいことは、決断力。時々優柔不断で、いつも振り返って何度もチェックしてしまう。でもそれは時間の無駄です。もう少しチェックするのを少なくすべきです。

㊵もっとも訪れたい国は今は、すべての国に行きたいけど、中国・韓国・オランダ・アメリカ・フランス・イギリス、すべての国。

㊶好きな曲は、Call me By Your Songプロジェクトの「Is It Wrong That I Won't Return To Loving You」

youtu.be

㊷好きなアーティストはGーDRAGON、BIGBANG、BTS、Xso、NCT。彼らは素晴らしい。

㊸幸せにしてくれる曲は僕の最初のシングル「I Crush On You」

youtu.be㊹僕のキャッチフレーズは「I Think」です。すごく何度も言うから。

㊺シャワーを浴びている時、そして寝る前にも祈りの言葉を聞きます。

㊻現在、エクササイズにすごくハマっています。勉強もしていて多くのエクササイズ器機も買ってます

㊼数字はどの数字も好きです。数秘術も勉強しました。それぞれの数字には意味があります。好きな数字を一つ選ぶとしたら9です。前進するから。(タイでは9は前進するという意味を持つ)

㊽僕はいつでもインスタで車を見てる。ポルシェとランボルギーニ

㊾一番使ってるアプリ?それは僕に連絡して。教えるから。

㊿多くの人が僕は母親似だという。おばあちゃんの友達もおばあちゃんの若いころに似てるという。

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私はSaintくんは野心的に見えるし、あざとくも見えるし、本当に可愛いく見えるし、確かにとても信心深いのかもしれない。努力家なんだと思うし陽気だし、そして天性の器用さを持った役者で、芝居もダンスもうまい。

日本でエンタメ界にいる人が将来を問われると、そのエンタメ界でずっと生きていくことを前提とした答えが返ってきます。でもタイの人たちは割とそうではない。Saintくんもビジネスで成功していくことをとても望んでいるのが、中華系タイ人の特色かもしれないなあと思います。

私はこの先も俳優や歌手としての姿をどんどん披露してもらいたいけどなー。

元の動画はこちらです。

youtu.be

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SaintsupTV EP4(2021/6/12)

私は『Love By Chance』で初ドラマであり初主演でPeteを演じるSaintくんの芝居の巧さを観て、すぐさまwikiなどで彼のことを調べました。彼が高校や大学で演技を学んでいる様子はありません。学生の頃はたくさんのボランティアに参加し、「社会貢献に優秀な若者に与える賞を受賞した」ということぐらいしか載っていません。どうやって彼が俳優になったのかがとても知りたかったのです。

実は私は彼の演技論などについて、彼自身の言葉でそれを表したものと、それから彼の演技に対するきちんとした批評があれば読んでみたいと思っています。

これはSaintくんのYoutubeチャンネルで彼の企業についての信念を語ったものです。

私が興味のある彼の俳優以前のことが話されているため、Youtubeの英訳を訳してみました。基本的にこれは私自身の覚書のようなもので誤訳もかなり多いかと思います。間違いがあればぜひお知らせください。

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SaintsupTV EP4 2021年6月12日投稿

今日は質問に答えましょう。たくさん聞かれていることで過去に何をしたか。

僕が行ったビジネスについて。

すべては若い時から今に至るまでの僕の経験です。

【いつ、ビジネスを始めようと考えたか?】

小学校1年か2年の時。そのときはビジネスなんて知らなかったけどなにか物を売りたいと思っていた。自分でお金を儲けたかった。でも父母から貰いたくはなかった。小学校の時、一日のお小遣いは15バーツ(現在のレートで53円ぐらい)。食べ物やお菓子やそのほかで一瞬でなくなるでしょう。もっとなにかを買うには何ができるか。お金を稼がなくちゃいけない。子供だったのでビタミンCを売ることから始めた。若いころみんなビタミンCの小さな錠剤を摂ることが好きだった。僕の親戚は医者で袋入りビタミンCの錠剤を僕にくれた。それで僕は1錠1バーツで友達に売ったんだ。

次はシール。小学3年か4年の頃。ハート型とかのシールがそのとき人気だった。(スタッフ:バレンタインデーなんかに多くの生徒が使うよね。)はい、それです。僕の家族は自動車関係の仕事をしています。そこでカーアクセサリーとステッカーを扱ってました。それで僕は最初、そこから買うことを始めました。例えばシールの付いたシートが100枚入り1束。それを10バーツで買いました。1枚のシートに20~30のハート型シール。そのハートのシール1枚を1バーツで売りました。

【警告】

教師たちはいつも、学士号を持っていなければお金持ちになれないと言いました。僕は幼いころからそれには賛同しなかった。僕は学士号を持っていません。でも僕の友人よりお金を稼いでいます。

正直言って、大学を終える必要はないと思っています。それでもあなたはお金を稼ぐことはできる。有益な機会を見つけるコツを持っているなら。それがなにかわからないとしても。でも僕は何かを売ることをいつも楽しんでいます。「金持ち父さん貧乏父さん」で読んだことを覚えています。もしあなたがビジネスを始めたいならもうそこに入っている。

【興味を持っていることから始めよう】

僕にとっては、僕の好きなものはスニーカーでした。それが僕の初めてのオンラインビジネスでした。当時は無料ドメインが提供され、そこに登録し、そこで物を自由に売ることが出来ました。何か物が欲しければインターネットでただ検索するだけです。僕たちはプラットフォームのようなものを持っていなかった。僕はスニーカーが好きだったから、それで好きなことから始めた。ナイキ、エアジョーダンなど。僕はバスケットボールをやっていたのでバスケシューズを売った。僕はネットで見つけては安い値段で売った。例えば店で40000バーツで売ってるものをざっと25000バーツで見つけ、それでウェブサイトで取引した。スニーカーの販売を辞めた理由はきちんとしたサイズのあるスニーカーの在庫を確保しないといけなかったからです。そのとき、僕はちょうどバンコクに勉強のために引っ越す予定でした。

僕は初めてシステムを持ったビジネスをしました。僕はいいものを探すのがうまく、もうひとりの友達はWebに精通した友達がいて、そして顧客とうまく交渉する友達がいた。僕はアイデアを出す人間でやるべきことや人の割り当てなど、システムの裏側を計画した。それ以来、僕はずっとビジネスをしています。

【エンターテイメント業界に入った後、ビジネスの機会はあったのか】

俳優として働きだした頃は僕は大学生でした。タイの学生のユニフォーム、僕はそれを売りました。僕の学友たちはそれに興味がありました。それで彼らにいい値段で提供しました。

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「Love by Chance」は僕が2年の時で僕の最初のTVシリーズです。その時も僕はまだ制服を売ってました。僕は自分を仲介人のように思っています。僕は長くは続けられません。それは進行中の仕事ではない。1つのプロジェクトが終わり、それで終わる。そんな感じです。エンタメ業界に入るまでは。

僕は共に経済学を学んだ友人と話します。一緒にビジネスを始めたいと。当時、俳優として演技の仕方を学び、それにとても集中しました。卒業後、それについてさらに真剣に考えています。それで自分の会社を立ち上げました。それがモデル事務所 IDOL FACTORYです。僕たちは楽しいことや幸福、愛をこめ、自分の好きなことから始めました。僕はとても幸運なことにたくさんのことをする機会を与えられてました。多くの人のサポートにとても感謝しています。いつか他の人の夢を共有し、そしてそれを他の人に機会を与える人になりたいと思っていました。

 

【起業の経験】

僕はタイと海外のドラマやエンタメ系制作会社を分析しました。男優や女優をプロデュースするだけの会社は出来ない。ドラマ制作も活用すべきです。僕はドラマ「Secret Crush On You」をプロデュースしました。

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それは試作段階で、まもなく撮影段階に入ります。そしてそれはビジネスに反映します。僕たちは経済共同体について学ぶ機会が持てます。僕はこれまで10以上の多くのボランティアキャンプに参加しました。そこではどうやって彼らの共同体を助けることができるのか。彼らの共同体のいいところを宣伝することはできます。独自のシステムを開発し運営するシステムを彼ら自身で推進するというビジネスの方法を。

 

【経済共同体の宣伝】

僕は夢があります。経済発展途上の国であるタイの人々に機会を得て欲しい。タイ製品の高品質なものを使い、それを宣伝すること。それで僕の最初のプロジェクトが始まりました。初めての商品は「Surn-Suk」です。様々なフレーバーのポップコーンです。タイ北部に協力してもらい、パッケージにかご細工を使用しました。その収益はすべてチェンマイに寄付されます。そしてタイのカレーペーストも作りました。その他、自分の作品のBOXセットなど。

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実際、僕は様々な経験も積み、そして何度も大きなお金も失いました。それでも失敗と成功を繰り返し、やりたいことを初めてみることが大切です。

(後半はかなりざっくり省略しました)

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感想

Saintくんの卒業のことがずっと気になってました。卒業式を派手に行う俳優さんが何人もいるじゃないですか。大学付近に飾られる祝辞が書かれた大きなポスター。ドラマ共演者が持ってきた大きなお花。式典用の美しい制服姿がニュースを飾ります。ところがSaintくん、いつ卒業したの?って思ってました。ある時に大学の礼服を着てインスタに友人と共に映っているイメージフォトのような写真は、卒業の華やかさとは違い、革命、叛乱、そんな言葉を思わせるものでした。いつまでも彼の美しい卒業写真がインスタを飾ることがなく、時間が過ぎていきました。

この動画で彼は「学士号を持っていない」と言っています。ということは彼は大学を正式に卒業していない、つまり中退ということでしょうか。別にいいんですけど、多くのタイの俳優が俳優業を続けながらも高い偏差値の大学に通い、学歴を身に着けるのとSaintくんの考え方は明らかに違っています。

 

それにしても・・『Love By Chance』の時の写真が出ましたが、Peteを演じているせいですがなんて可憐な顔なの・・・。しかし現在のこの動画のSaintくんの顔はすっかり商売人の顔ですね。そしてそれが彼の本質であり、だからこそ『Love By Chance』で俳優として好スタートを切れたのでしょう。商売人である彼は、しっかりと自分の「商品=俳優」としての素質を見極め、いかにそれがいい商品になりえるかを真剣に考えたのではないか・・・などと思いました。

 元の動画はここです。

youtu.be

拝啓 タナミン監督  ~Cheewin Thanamin Wongskulphatについて

タナミン監督~~!(心の中で手をぶんぶん振っています!)

俳優さんたちの言葉を拾うと「P’Chee」とか「P’Cheewin」と呼んでるのでCheewin監督と書くのが正しいのかなと思うのですが、タナミン監督がTwitterやIGで使ってるアカウント「Thanamin_V」からタナミン監督と表記しますね。

まずは2020年の『Why R U?』ではお世話になりました。本当に大好きな作品です。タイ版のDVD-BOXも買いました。そしてあれからあなたが監督している作品をずっと追っかけております。そして観ているといろいろ思うところ・考えるところがありまして、タナミン監督について知りたいことや、出来るならいろいろ聞いてみたいことがいっぱいなのです。それで、ここでいろいろ思ったことやあなたに聞きたいことなど書きますね。

 

タナミン監督の作品は本当に特徴があって、作中にアニメを入れたりパロディを入れたり、神の視点的な声で主人公にツッコミを入れるコメディの手法とかお好きですよね。それから特筆すべきは映像の美しさ、そして色彩設計の面白さです。

色彩設計

色彩設計に関しては、ある意味とても分かりやすく色を配置しています。『You Never Eat Alone』や『YーDestiny』がそうですが、まずは登場人物ひとりひとりにイメージカラーを設定しています。その彼らの色は服装や持ち物、インテリアから、かなり細かい部分にまで及び、とてもポップな印象を受けます。大道具から細かい小道具に至るまでのその色の使い方からバランスを観ていると本当に見事だと思います。さらには道具類だけでなく、照明もその人のイメージカラーをうっすらと入れている場合も多々あります。こういった色彩設計は『You Never Eat Alone』を経て『YーDestiny』でさらに進化したのではないでしょうか。

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黄色のDiew、青のMix。理解しあっているふたりの飲み物の色はお互いのカラーに。

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青のMixの部屋。Mixは絵を描く人なのですが壁面には何故か色見本が。面白い部屋だー。

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ふたりのシーンではMixの側に青い照明を足しています。


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『YーDestiny』9話冒頭。バーでKaengとPuthふたり。ふたりの距離は近いのですが、赤をベースにしてるKaengの方は赤系のインテリアが。

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そして緑をベースにしているPuthの側には緑のインテリアが。他にもお互いの家具や衣裳だけでなく飲み物のコースターやちょっとした小物までそれぞれのカラーを配置してあるこだわりよう。★タナミン監督のラブシーン

タナミン監督の作品の特徴として重要なのは、超絶色っぽいラブシーンを作ることだと思うのです。

2016年のNew監督ら3人でのと共同監督作品『Make It Right』は高校生たちの物語ですがかなり攻めたラブシーンを作っていたと思います。

『Why R U?』ではFighterTutor。Fighter演じたZee Pruk PanichとTutor演じたSaint Suppapong Udomkaewkanjana、ふたりのラブシーンはエモーショナルで美しく、そしてなにより煽情的でした。タイBL作品において、ラブシーンを作り上げることに関する強い意気込みと野心を感じます。

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ラブシーンにおけるSaintの目の動き、指の動かし方、何から何までがすべていきいきとした意味を持っていることに驚きました。どこまでが演出でどこまでがSaintとZeeのふたりで作ったものなのでしょう。いえ、俳優として強い野心を感じるSaintからあの演技を引き出したのはやはりあなたですか?タナミン監督。

考えたら、タイドラマにおいて性描写として出来るのはキス。演出上としては舌は使いません。脱ぐのは上半身のみ。

それでもタナミン監督が作るラブシーンは、お互いが近寄っていくときの胸の高鳴り、触れられたときに敏感に跳ね上がる皮膚感覚、欲情して上がる体温や息の熱さ、そういったものすべてが画面から溢れています。クローズアップの映像では吐息の熱さが感じられるようです。また、俳優たちが脱ぐのは上半身のみとは言え、着衣を脱いでいく行為もとても丁寧に作っていることがうかがえます。さらにはギリギリな表現ですが手を相手の下半身に伸ばすところなども、ラブシーンとしてのリアリティと美しさと煽情的なところのバランスが取れていて、そこに美しいカメラワークと音楽、それがすべてあいまって最高です。これらを4文字で要約すると「どエロい!!」です。

『Why R U?』のあとは『YYY』『You Never Eat Alone』『YYY Special』とコメディタッチの作品が続きました。そして現在、『YーDestiny』です。これは『Why R U?』以来のタナミン監督の性描写への挑戦を感じます。

登場人物は曜日になぞらえた7人の男子それぞれの恋物語で1CP2話ずつで構成されていて短編集のようでもあり、正直言えば脚本としては物足りなさを感じています。しかしこのドラマもラブシーンが素晴らしいと思います。

 特に9話・10話でのKaengとPuthのエピソードですね。このラブシーンももしかしたら『Why R U?』同様、記憶にずっと残るシーンになりそう。

下の動画は9話前半シーンのハイライトです。年齢制限があり、youtubeでのみ直接観ることができます。

 youtu.be『YーDestiny』は俳優経験が一番長いのがTalay、あとは『Why R U?』で一緒に仕事をしたDomundiの子たちの他、新人俳優を多く使っています。印象としては玉石混交。その中でPuthを演じた日タイハーフのTakizawa Toru、彼がドラマデビューとは思えない演技で、なかなかいい雰囲気を持った男子です。タナミン監督はそんな彼を気に入って結構推してません?『YーDestiny』の中でPuthメイン回の9話10話だけでなく、Sunに家庭教師の仕事を依頼する友人として3話4話、Monと寮のルームメイトでありMonのよきアドバイザーとして5話6話と、とてもいいポジションで登場します。Takizawa Toru。決して美少年ではないのだけど様々な表情に求心力のある気になる俳優です。これからの活躍を楽しみにしています。

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★無垢な男の子

タナミン監督の作品には、『Why R U?』Tutorや『YーDestiny』Puthのような妖艶キャラがとても素敵ですが、同時にとてもまっすぐで純粋無垢、そして幼さを感じる子もお得意ですよね。

『Why R U?』ではTommy Sittichokが演じるZonがちょっとそんな感じ。

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そしてMaxNatのNat atasitt Uareksitだよね。(でもNatくんはこれ以降、無垢キャラ脱却ですが)

『YーDestiny』ではやはりKornが演じるMonでしょうか。たっぷりと間を取ったキュルキュルした演技をしています。

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(この子も『YYY』ではこんなキャラだったのに・・・)

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キュルキュルして可愛い男子が勢ぞろいなのは『You Never Eat Alone』ですね。

主役のPeak演じるDiew。Zee演じるMix、Diewの友達のMaeungも、Diewの弟も、Prem演じるDiewの従兄弟も、みんなとても甘くてどこか幼いキュートな男の子を演じています。

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これ、考えたら実際のタナミン監督がこんな感じで可愛い人なんじゃないかなと、いろんな動画を観てて思います。

★タナミン監督の繋がり

可愛いタナミン監督ということでこんな動画を見てください。

タナミン監督が司会で、ゲストを呼んでみんなで一本の映画を観て、それに関するゲームをやった後で感想を言いあうCopy★ A Bangkokのバラエティ動画があるのですが、その第3回のゲストがなんと私の大好きなNew監督なのです。タナミン監督はNew監督をP'Newと呼んでいるのでNew監督の方が年上なのでしょう。アメリカの「Blue Valentine」という映画を観てきゃっきゃしてますが、New監督は勿論いつものごとく可愛いのですけどタナミン監督も結構可愛いのですよ。

youtu.beタナミン監督は『Make It Right』『Make  It Right 2』でNew監督と共同監督をしています。そしてこの動画ではこのふたりは結構どつきあったりしてますし、なんなんでしょうねえ。仲いいみたい。

『You Never Eat Alone』にNew監督の『Until We Meet Again』のサブCP、BounPremが出てきたこととか、『YーDestiny』の音楽で『Until We Meet Again』や『Love By Chance』での曲が使われてるのがちょっと不思議だったのですが、タナミン監督のNew監督リスペクトってことなのでしょうか。この辺りのこともタナミン監督に聞きたいところです。

 また、同じ動画のSaint・Zee登場回では、Saintから「監督はアサンプション高校での先輩ということで知っていた」との発言があります。そんなに古くからお互いを知ってたんですね。『Why R U?』はプロデューサーがDomundi TVのプロデューサーであり、そして出演者の殆どがDomundiのメンバーの中で、Saintが或る意味アウェイな状況でのキャスティングだったのかなあと想像していました。しかしこのドラマの前からSaintとZeeが知り合いだったように、タナミン監督とSaintも繋がりがあったということなのでしょうか。多分、それほど広くもないタイドラマ業界で、例えば事務所や過去作を越えたいろんな人たちの繋がりを知ることができるとなんだか嬉しいですね。

この動画は字幕が付いているので非常に楽しめます。そしてSaintがTutorのようでなく、ZeeがFighterのようでないところもまた興味深いです。

youtu.beタナミン監督とSaintは『Why R U?』以降は一緒に仕事をしていません。実はそれがなんとなく気になってたんですが(ファンはいつでも心配性です)、Saint初のプロデュース作品にして本人も出演する『Secret Crush on You』を監督するのはタナミン監督でした。なんかほっとしました!『Why R U?』であそこまでいい仕事をしたSaintは、次のステップのためにこれまでいた場所や与えられる役柄から離れたところに行きたいのだろうと想像していました。でも私はBLというジャンルの可能性を信じてて、その中でSaintにはさらに多くの役に挑戦してほしいと思っているのです。そんな中で初プロデュース作の監督をタナミン監督にお願いしたということに、タナミン監督への信頼とSaintの『Why R U?』に対する自己評価の高さをうかがえるような気がしました。

あと、タナミン監督の繋がりと言えば、Tee監督作『Lovely Writer』へのゲスト出演でした!ドラマ公開前のイベントで司会者役として登場のタナミン監督!衣裳もステキでした。

★ところでちょっと気になるところ

いち視聴者として、タナミン監督に興味があって追いかけていく所存ではありますが、演出方法としてちょっと気になるところを述べてもいいでしょうか。

まずは「音」です。

タナミン監督が作品中で使用する楽曲はすごく好きです。『Why R U?』ではかなり多くの楽曲を使ってました。

『YーDestiny』ではエンドロールに使用曲に関してミュージシャンの他、プレイヤーすべてがクレジットされていていることにとても好感が持てます。タナミン監督が作品の中でオリジナル楽曲を大切にしていることがわかります。ただインターファンとして個人的なことを言えばこうした歌モノのオリジナル楽曲の他に、シーンの背景で流れる音楽を作っている制作会社またはミュージシャンがファンとしては知りたいです。(多分クレジットされてるのですが読めない・・)

で、気になるのが、『Why R U?』でいろんなシーンの背景に使われていた曲が『YYY』でセルフパロディとして使うのは・・・微妙なところですがとりあえずはアリだとしましょう。『YYY』自体がパロディ満載の作品ですから。

でも『YーDestiny』で『Why R U?』で使用した曲を使うのはどうなんですか。そしてNew監督作『Until We Meet again』や『Love by Chance』で使っている曲を使うことも。これはタイドラマあるあるなんでしょうか。もしかしたら楽曲を作る制作会社が同じで、それらは使いまわしてもいいことになっているのでしょうか。

ただ、ドラマのファンとしては、それぞれのシーンの感情とその背景にある音は連動していて、そんなにお互いが遠くない時期の同ジャンルでの音の使いまわしは、キツイわあ・・・。多分これは予算の問題よね。そう考えるとタイドラマがさらにヒットして予算が潤沢に取れることを祈るしかないかしら。

そして前述したように音楽を大切にしてるだろうタナミン監督ですが、時折「音、多過ぎ!!」って思うんですよね。音で演出するタイプの監督だと思うのですが、感情が載る大事なシーンで(例えば『Why R U?』でTutorがFighterに別離を告げるシーンとか)とにかく何曲かを連続で繋げて流す演出方法。視聴者は確かにその音でさらに気持ちが上がるし私など何度見ても泣いてしまうのは音による部分もかなり多いことは間違いありません。でもやはり「音、多過ぎじゃね?!」とは思うんですよ。あと『YーDestiny』では違う音楽がどちらかをフェイドアウトさせて次にフェイドインさせるのではなく、同時にふたつが鳴ってたりして、あれもどうかなあと思うんですよ。ちょっと監督にこの辺りの話を聞きたいものです。

あとは・・・タナミン監督がいい脚本に巡り合えることを祈ってます。

タナミン監督は感覚の人ではないかと思うんですよね。映像美、色、音、間合い、を大切にしているのですが、どの作品も脚本がもう少し良かったらなあと思うことが多いのです。『You Never Eat Alone』などを見ているとところどころにタナミン監督のセンシティヴなところを感じるのです。この後、もっともっといい脚本に出会えて素敵な作品を作り続けてくれることを祈ってます。

 

★ちなみに『YーDestiny』で使用されてる楽曲は「Spicy disc」というレーベルのアーティストの曲のようです。

www.spicydisc.com

さて、ちょうど今日はU-NEXTで『YーDestiny』11話が配信されたところです。回ごとにどんどん面白くなってきている『YーDestiny』。

これからもタナミン監督の作品を楽しみにしています。

[ Cheewin Thanamin Wongskulphat監督Twitter] @ThanaminV

『You Never Eat Alone』とダメな私と

今こそ私は『You Never Eat Alone』について語りたい!

 タイのドラマ『You Never Eat Alone』は、『Why R U?』のCheewin Thanamin Wongskulphat、通称Thanamin監督の作品です。2020年12月~、全12話のドラマです。主演はDiewにPeak Peemapol Panichtamrong、一番の友達になるMixに『Why R U?』に続いて出演したZee Pruk Panichです。

大学入学と共に入寮したDiewは、こどもの頃のトラウマがあってひとりでごはんが一切食べられない。これまでは家族と共に食事をしてきたけれど、これから一人暮らしでどうするのか。そんなDiewが寮で仲良くなった友達やたまたま知り合った人、弟や従兄弟などといろんな人と関わっていく話です。

一番の目玉になってるのが毎話のゲスト出演。

1話は『Why R U?』JimmyTommy

9話に『Until We Meet Again』BounPrem

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7話では、Thanamin監督が2016年に監督した『Make It Right 』でPeakくんと主演でCPを演じたBoomくんのゲスト出演は胸熱というか切ないほど・・・!

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このドラマは話のテンポはゆったりめのどこかほのぼのとしたコメディで、最初に書いた通り、目玉は毎回の様々なゲストであると思います。

ひとりで食事が出来ないDiew。それはなにが原因で、彼は一体どうなるのか・・・?その決着をとにかく楽しみにしている方は、良ければまずはドラマを全部見終えたあと、またこれを読みに来てくださるととても嬉しいです。

ここから先は、それについて触れていきます。

 

Diewを心配している友達はなるべく彼と一緒に食事をします。でもこの先ずっと、いつでも誰かがDiewのそばにいることが出来るのでしょうか。なんとかDiewがひとりでごはんを食べられるよう、励ましたり、いろんな方法を講じたり、怒ったり慰めたりします。Diewも努力をするのです。でもどんな方法をもってしても、彼は一人では一口も食事をのどに通過させることができないのです。このままではいけないという思いの中で彼は疲れを感じていきます。幼いころに受けたトラウマも消えることはありません。

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そんなDiewに友達のひとりが「僕は今、Diewのことを知ってから行動心理について調べているけれど、ひとりでごはんを食べられないことは変じゃないと思ったよ。僕らだって友達とメシ食いたいしな」とDiewの特殊性を一般化します。そう言われてDiewは少し安心しつつ、それでも引き続き、努力はします。

しかし結局、この物語はDiewがひとりで食事をすることができずに終わります。友達に囲まれたDiew。中でも彼にとって一番大事になったMixが「また一緒にごはん食べような」と言って終わるのです。

なんだかなー。すごくいいなー、この終わり方が。

 

どうして今日はこのドラマのことを書きたかったかと言うと、今日は私がすっごく電車に乗り間違えたからです。

ひとりで食事が出来ないDiewと似て、私はひとりでおでかけが(あまり)出来ないのです。まあ勿論しますよ?ただ、すごくストレスです。ものすごく方向音痴であり、そして道に迷うことがまったく楽しめないからです。

今日は家から電車に乗り、2度乗り換えはあるものの25分以内で着くようなところに出かけました。よく使う電車だし、行先は普段は車でよく行く場所で、電車でも数度行っているところです。そして勿論、乗り換え案内アプリでどの時刻、どの駅で乗り換えるか調べ済みです。私はそのアプリと時計を交互に見ています。

な・の・に!何故か私は行き先と違う電車に乗ってしまい、慌てて降りても今度は来た道を引き返したり、そこからまたやり直そうとしてさらに違う電車に乗るという、私が時折やってしまう「乗り間違い大パニック!」です。

行きたい場所から遠ざかっていく電車に乗りつつ、私はいろんなことを思い出してました。

大学生の頃、近所のスーパーに行くとき、よく10歳年下の妹と手を繋いで歩いて行ったのは、私がお姉さんだったからではなく、私の方がひとりで歩くのが不安だったからだよなあ、とか。

祖父の訃報を聞いたとき私は豊橋にいて、名古屋方面の電車に乗って実家に帰るつもりが気が付いたら浜松方面の電車に乗ってて、もうヤケになってそのまま降りず、ずっと先まで乗った後に引き返し、結局私は祖父の通夜にも葬式にも出なかったこととか。

20代の頃、ひとりで出かけるのが苦手なことを克服しようと、頑張って何度も「ひとりお出かけ」をしたのだけど(地下鉄2駅先の繁華街へ)、楽しくない辛い不安だ、そうだこれ全然楽しくないんだって思って、このレッスンを自分に課すことを辞めたこととか。

久々に思い出したのだけど、本当に祖父の葬式に関しては私はまったく人でなしです。これ一度きりではなく、ひとりで出かけたくないというそれだけの理由だけで私はかなりたくさんの結婚式も葬式も出席していないのでした。ああ、もうほんとダメじゃん。

しかも悔しいのが、Diew同様、自分なりに努力はしている、ということです。私の場合だと早めに出る準備をして余裕をもって到着できるようにすること、そして地図や時刻表アプリを見たり事前に調べたりしているのです。しかし多分どこか、視野狭窄的に見えてないものがあるのでしょう。待っているホームの線は幾つかとか、行く先の駅はどこ行きなのかとか。私の場合は、地理に関しては普通の人が当たり前にわかってたり考えが至ることに気が付いてない感じがします。

だいたい、今10年近く住んでいるところも、付近に何があるのかを俯瞰的に把握できていないし、近所で道に迷うことなどしょっちゅうです。

え、地図アプリですか?それでナビしてもらったらどうか?と。はい、なんて言うか、私はぜんっぜん使えないのですよあの地図のアプリが。地図を見て付近の建物を探しても、それでも自分がどこに立っててどこに向かえばいいのかを把握するのにものすごく時間がかかるし、その通りに進んでいるつもりでまったく反対に歩いていることなどしょっちゅうです。

あ、何が言いたいかと言うとですね、今日、久しぶりにすっごく焦ってほんとにトホホだった私は『You Never Eat Alone』のラストにちょっと救われた気がしたんですよ。

そりゃなんだってそうだけど、出来るなら出来るに越したことはないです。

でも、ひとりで食事が出来ないDiewも、ひとりでおでかけが苦手な私も、別に変じゃないってことです。Diewと同様、私もこの先もいろんな人に出会って友達が出来て、その友達と一緒におでかけする、まあそういうことでいいのかもな、と思ったんです。そしてそれでもその日がひとりのときは、今日みたいに観たい映画のためにがんばってお出かけして、道に迷い続けている私をSNSの中で心配してくれてる声に少し励まされたりしながらなんとか辿り着くし、または家の中でひとりで過ごすことは昔から得意だし、そんな感じで生きていくのだよなあ、とそう思ったのでした。

『You Never Eat Alone』、ありがとう!

ダメなまんまでハッピーに終わる、そんなラストを用意してくれて!

友達も「マイペンライマイペンライ」言うてます。

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(『You Never Eat Alone』の視聴方法は2021年6月現在、U-Next見放題に入ってます。)

 

 

 

LGBTQの人が隣にいる、なんてあったりまえじゃん。

昨日、ツイッターのTL上に知らない人のツイートが流れてきて、ふと目にしてちょっとびっくりしてしまった。それを見ているうちにじわじわと、ちょっとしたびっくりが広がってって心の中に澱んでいった。

それはテレビの画面が映ってて「近所の人がLGBTだったら嫌悪感を抱く人はどれぐらいいるのか」という県別のアンケート結果で、40~50%の人が嫌悪感を持つと回答しているという内容でした。2015年のアンケート結果だったそうですが。どういった人から採った結果なのか知りませんが、でも「いや、マジで??」て思うんですけど。信じられないし、なんでだろって思う。「嫌だ」と答えた人はLGBTの人たちが一体どういう人だと思っているんだろう。漠然とした偏見なのかな?

 

私が一番初めにLGBTの人に出会ったのは中2か中3の頃で、その人はLGBTのうちのTにあたるトランスジェンダーの女性でした。うちは両親がスナックを経営してて、時折でしたがホステスとして雇った若くて派手な女の子がうちの離れのプレハブの部屋に住み込みとして来ることがありました。どの人もみんな優しいので子供だった私は大抵その人たちが好きでした。中学生の頃の私の部屋は、家族が使う和室の奥の廊下部分で、そこに私の勉強机が置いてありました。そこで勉強していた時、母が誰かと共に和室に入ってきました。障子の向こうから母の声とがさついた男性の声、それからドライヤーの音が聞こえてきました。少し経って机から目を上げてふたりと見ると、男性だと思ってた人は、白くてのっぺりした顔に薄い眉毛、どこかうっすらと髭の青さが見てとれて、茶色に染めた洗い髪を乾かしてる華奢な感じの女性かな?と思える人でした。「ゆきちゃん」と紹介されました。私は昔から初めてのこととか知らないことに出会うと、驚かずにストンと自分の中に入れる習慣があるようです。その時までトランスジェンダーという人についてさほど知らなかったけれども、とにかくストンと納得しました。ゆきちゃんは、今まで住み込みで来た他の派手な女の子たちと少し違ってました。普段の服は割と胸元が広く取ってあるざっくりした淡い色のニットで下はジーンズ。カジュアルだけど少しフェミニンなイメージだった記憶があります。毎朝、うちのおじいさんと一緒に喫茶店にモーニングに行き、私たち子供に対しても優しく、そしてゆきちゃんの使う香水は優しくていい香りでした。そんなゆきちゃんがすごく好きでした。当時保育園に行ってた妹は私に「ねえ、ゆきちゃんって男なの?女なの?」ってこっそり聞いてきたけど私はその時どう答えたのかなあ。ゆきちゃんは妹たちとよく手を繋いで散歩もしてくれました。今まで入れ代わり立ち代わり働いてた若い女の子たちに比べてわりと長く両親の経営するスナックで働いてた覚えがあります。

 

私が高校生になったころ、「同性愛の人たちは人口の一割」と聞いて、その時はそんなにいるのかなあって思ってクラスを見まわした覚えがあります。ただ高校生ぐらいの頃はまだ自分の性志向や性自認について朧げな人はいるようですから、その時期に一割かどうかは微妙かもしれません。

今は、私自身がカフェをやっていて「ああ、一割はほんとなんだろうなあ」と実感しています。「そういえば今日一日に来てくれた人でLGBT併せたら1割越えてるかも」という日はかなりあります。それは私が知る人に限るわけで、私がそれに気付いてない人なんてきっといっぱいいる。さらにアセクシャルやアロマンティックを含めるとですね、アセクシャルとなるとなかなかそんな話をお互いにしないので、そうだと知ってる人は数少ないのですが、アロマンティックだろうなあという方はお客様でも私の友人たちの中にもけっこうな割合で存在してるように思います。

今、私の周りにはいる人たちでは、

●古くからの友人で、あとからゲイやレズビアンやバイだと教えてくれた人

●古くからの知人でその後トランスジェンダーになった人

●お店をやっていく中でお互いに好きな映画で知り合って、そこで相手がゲイやレズビアンだと知った人

●うちの店が気に入って来てくれてる(だろうと思われる)ゲイ男性・トランスの人・アセクシャルの人・アロマンティック(だろうと思われる)女性や男性

がいて、それぞれにおいてお客様だったり、知人だったり、友達だったりします。

その人たちの顔をそれぞれ思い浮かべて、それでですね、そのどの人のことも「近所にいたら嫌悪感」とかってありえないですよ。誰一人として。なんなの、その漠然とした嫌悪感って。

 

まあつまり、そういう嫌悪感を表明する人の殆どは、もしかしたらただ「漠然としたイメージで捉えているだけ」ということではないのかなあと思うのです。

多分、うちのおじいさんだって「トランスジェンダー」について言葉だけで説明されたら理解できなかったかもしれないけれど、そういう知識の前にトランスジェンダー女性がうちに住み込みで来て、その人が「おじいさん、一緒に喫茶店にモーニング食べに行かない?」って言われたので一緒に行って、おじいさんのこと気遣ってくれながら毎日そこにいるトランス女性のことを感覚的に「このひとはいいひとだなあ」って思っていたに違いないと思うのです。

ちなみにこんなこと書いてる私も、いろんなセクシャリティの友達と話してて気付くことばかりだし、知ることも多いです。あるとき、大好きな友達と話してて自分の側を指すときに「普通の人は」と口にしてしまった瞬間、ものすごく苦い気持ちになりました。その友達は何も言わずさらっと流してくれましたが「うわあ、そうか・・・!!」という気持ちになりました。異性愛者が普通、と思っているのが刷り込まれていて、まったく無意識にそう口にしてると気が付いたのです。しかし目の前の同性愛者の友達は、では「普通ではない」のでしょうか?そんなことはないのです。ていうか何を以ってどの部分が普通で普通ではない? そういうことに友達と話していて気付きました。そして人はセクシャリティだけではなく、様々なことにおいても自分がマジョリティだと思っているものを「普通」と捉えているという例を具体的に見た思いがしました。

ちなみにネットでちょっと調べ物をしながらこれを書いていたのですが、そこに「自分のセクシャリティ診断は?」というのが出てきたのでやってみたら、私は「パンセクシャル」だと診断されました。私自身は限りなくバイには近いだろうと思ってはいたのですが、それにしたって私は今、57歳で、感覚としては映画『his』で根岸季衣演じる村の女同様「この年になったらもう、男とか女とか関係ないから」みたいな感じに近いです。

 

ところでですね、今、タイのドラマを元にした『2gether』という映画がやってるんです。この映画の監督はオープンリーゲイで、他にも秀逸なドラマ作品を作っている監督です。この映画の世界では、自分がゲイと知った男子、友達がゲイだということを知って応援するたくさんの友達、ゲイの男子に好かれたヘテロセクシャルの男子(だけど、もしかしたら彼は潜在的にバイだったかもしれない)、その彼らを見守る友達や兄弟、トランスジェンダーの学友たちなどが登場します。その誰もを否定しない世界です。

その感覚がごく当たり前の世界基準になったらいい、と思うのです。

そういう意味でみんな、『2gether』観に行ってください。

そして、LGBTQの人が隣にいるなんて、すっごくあたりまえの世界だよね、って言おうよ。

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蔡明亮監督『愛情萬歳』

初めて蔡明亮ツァイ・ミンリャン)監督の『愛情萬歳』を知ったのは、私がウォン・カーウァイレスリー・チャン→香港映画、とハマっていた頃、友達が蔡明亮監督について教えてくれた、そう、あれはもう25年近く前のこと。当時、蔡明亮という名は『ブエノスアイレス』などを配給してたプレノンアッシュの広告で見て知っていた。それはプレノンアッシュ配給『Hole-洞』の、どことなくポップに作ってある広告だった。ところが観てみたら蔡明亮の作品はまったくポップじゃありません。私が当時浴びるように観てた香港映画のようでもありません。だいたい香港映画じゃなくて台湾映画ですけど、それにしたってどの台湾映画とも違ってました。それでも何故か惹かれるものがあって、『青春神話』『愛情萬歳』『河』『Holeー洞』と観ていったのです。なかでも私が好きなのが『愛情萬歳』と『河』でした。

 

さて調べたら以前に観たのが3年前。2018年。

今回、あの時までは生まれなかった感情が起こっている。

蔡明亮監督の作品の中で李康生演じる小康(シャオカン)は永遠に片思いをしている。初期作品では陳昭榮演じる阿榮に。『愛情萬歳』でもずっと報われないひそかな思いを阿榮に送っている。あれ、小康ってこんなに可愛かったっけ? ちょっとタイのGunくんに似てなくも・・・ないか?

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ちなみに私は昔からこの陳昭榮の顔が好きで(笑)。私は人の顔の区別がかなりおおざっぱで、多分頭の骨格とか全体の配置のバランスとかでしか観てないのかもだけど、私の好きな俳優の顔、高橋一生中村倫也・Up Poompat 、そしてこの陳昭榮、みんな系列として似てません?

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それはさておき、蔡明亮の世界には、穴の空いたビル、どこからか水が漏れだし止まらなくなる不安感、建設途中でほうりだされた場所、疲れすぎてひとりで泣く女、そして叶わない片思いをする小康がいる。

私はこれまで、その小康の叶わない恋をすごく当たり前に観ていたことに今日、気が付いたのです。美形でちょっとワルの阿榮に一目惚れした小康は、彼にごはんを作ってあげる。彼の皿におかずを入れてあげる。彼を見つめている。阿榮が女と寝ていて、意図せぬこととはいえ小康はそのベッドの下にいる。エロティックですごく切ないシーン。

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朝になり、女が去ったあと、小康はベッドの下からそっと出てきて、ひとりベッドで熟睡してる阿榮の隣に横たわる。そっと近付き、阿榮にキスをして去る。それらの報われなさは監督の描く1990年代初め頃の台湾を覆う不安感や閉塞感を表していたと思います。
でもこの1年間、台湾やタイドラマにおいてゲイの男の子、またはノンケだったけど男子を好きになった男の子の恋はみんな叶ってハッピーエンドになる世界ばかり観ていると、小康が永遠に報われない世界でループしていることに、私の心の中でちょっとした違和感を覚えたのです。彼の想いが閉塞感を表すものではない世界はもう始まってる。そんなことを2021年6月の今回の鑑賞時に思ったのでした。

 

そして。楊貴媚演じるこの女は、なにに泣いているのでしょうか。同じく、蔡明亮監督『郊遊 ピクニック』でも、女はなぜ泣いているのでしょう。

とても個人的なことだけど、私はふっと思い出したことがありました。小学2年生の頃。うちは両親が私が1年生の頃に離婚したのですが、私は両親どちらのことも好きで、しかし正直言えば私は離婚したことについて悲しいと思った記憶がありませんでした。でも私は誰もいないときに「そうだ、泣くごっこをしよう」と思い、押し入れの布団が積んであるところに頭をうずめて声を出して泣く真似をしました。そうすると本当に涙が出てきます。私は一切、悲しいという気持ちがないままに「親が離婚して泣く女の子」を演じることを少しだけ楽しみながら泣いていました。

『愛情萬歳』の女は、なんだかもういっぱい疲れたり一人の部屋で自堕落な時間を過ごしてはまた働き、いやになったり行きずりの男と寝たりして、なんだか疲れて思いきり泣いたあと、また靴音響かせて歩いていき、いつもの日々に戻るんだろうなあ。そういえばこの女と阿榮のセックスは、女は服を脱がされることなく自分で脱ぎ、ただセックスするだけではあるけれどそれは対等な関係のセックス、それがなんか良かったなあ。

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(画像は『愛情萬歳』Trailerより)

 

 

腐女子、について考えてみた

昨日はわたし、オンラインミーティングっての、初めてやりましたよ!わぁい今時だわぁー。仕事や、または仲間内のZoom飲み会とか、そういうので利用してる方が多いようですが、わたしなんてね、年齢もあるし元々不細工だし、『自分の顔をネットで出す、しかもそれが自分の画面でも見える・・・だと?』という状態がもう絶対無理!だったんですよ。でも知った人同士だし、そんなしょうもない自意識などどうでもいいかと思ってやってみたら、これがもうすごく楽しくてね。やっぱり、ネットを通じてとはいえ、顔を見て声を出して話すのって楽しいね。

昨夜はわたしの古くからの友人と、その友人繋がりで知り合った方。ふたりとも男性です。考えたらわたしは友達はそんなに多いほうではないのですが、20代の頃から今に至るまで、好きなもので繋がって仲良くなって飲みに行ったり遊びに行くのって男性率が高いんです。恋愛的には学生時代からまっっったくモテに無縁なわたしなんですけど。なんでかなあって考えてたんです。私はシンパシーとワンダー、どちらも大切ですけど、圧倒的にワンダーのあるものが好きなんですよ。女性の友達とはシンパシー多めとなり、いつまでも笑い転げながら「うんうん、そうだよね!」って話が延々と続いたりしてこれはこれですごく面白い。ところが男性の友達だといつも「え、ちょっと待って?そうなの?!」ってことが多いのです。それは別に否定ではないんです。否定することはほぼありません(だから友達なんですよね)。うわー、そうなんだー!とかおもしろーい!みたいな感覚。同じ好きなものの話をしながらその会話の中にワンダーが時折ひらりひらりと落ちてくるその時間がとても好きなんです。

 

昨日は3人で台湾のBL作品についての話やタイBL『Lovely Writer』を見ながらお喋りしました。心優しく思慮深いふたりに比べ、わたしなどは「Aeyのねーちゃん、クソだよ!」「AeyのとーちゃんがBest of クソおやじ!」とか、本当に口汚くてごめんなさい。

ところで作品の内容からわたしたちの会話はいろんなところに流れ、ひとりが「仕事先でダイバーシティを目指していて、少しずつですがいろんな方に出会うんですけど、 腐女子がまったく、いないんですよねえ」と言いました。「えー?うちの店は 腐女子いっぱいいるし、わたしは店でそんな話ばっかりしてるんだけどなー」とわたし。「結構みんな 腐女子を隠してる人、多くない?」ともうひとりも言います。

ちなみにわたしの場合ですが、物心ついたころから好きなものに関しては全部開示しておく、というスタンスです。その場に誰もそれを好きな人がいなくても、私は勝手に好きなものの話をしてしまうタイプです。持ってる手札は全部見せて、自分の前に並べるタイプ。そうしておけば、そこに同じものが好きな人が現れてそれについて一緒に話したり仲良くなれるチャンスもあるし、なんなら布教ですよ、自分の好きなものに興味を持ってくれる人に出会えるかもしれないじゃないですか。自分がそうなので、正直言ってそうではない人のことが以前はよくわかりませんでした。ところが現在、カフェをやっててそこでお客さんから話を聞くと、「ここでは好きなものの話をするけれど、職場では絶対にしない」というかたは結構多いのです。なんでなんで?話しちゃえばいいじゃん?と言うと、「自分の好きなものの話をしても誰もそれを知らないし、共感もされないし、それどころかその相手からの反応で傷ついてから、もう好きなものを言わないことにした」と言うのです。自分が好きなもののことを「え、そんなものが好きなの?」とディスられたり「じゃああなたはこういう人なんだね」と勝手に間違ったジャッジを下されるぐらいなら、偏愛する音楽を口にせず、それどころか音楽さえ聞かないふりをし、偏愛する映画やドラマがあってもそれ自体に興味の無いふりをする。その人が生活する場所場所に於いてそういう選択をするひとは結構多いようで、そう聞くと「なるほど、そういうことかあ」とも思うわけです。

で、昨日の話に戻りますが「 自分のリアル周囲に腐女子がいないんだけど」と言った友人は、「でも確かに自分も職場で自分の好きなものの話はしない。開示しないほうを選んでる」って言い、そしてもうひとりが「ところでさ」と言いました。

腐女子の人に、『もし自分の子供がLGBTQだった場合、それを認める?』って聞いたら認めるって答えてくれたんだよね。でもだよ、その人は自分の夫や家族、友人に 腐女子ってことを隠してるってことはさ、本当にその場合、自分の子供を守れるのかな?」

もうさー。うーーーんって唸っちゃいました。これだよね、ワンダーってのは。そういうふうに考えたことはなかった。「本当だよ!その通りじゃんッ!!」ネット越しなのでわたしの口角から泡が飛ばなくて幸いな勢いでそう答えました。

その彼がネットでそれについて問いかけたとき、様々な答えがありました。それは夫に対して自分の夫以外に愛するものを口にすることが憚られるという配慮だったり、または男性がエロ本を隠すのと同様の感覚だったり、または前述の好きなものを否定される恐怖だったり、いろいろあるようです。

ただ、わたしは彼のその問いかけはすごく大切なことだと思ったんです。 腐女子バレしないようにする、の中には、実は「わたしたちが大好きな、男と男が恋愛する物語は世間一般に隠さないといけない世界」なのですか?そういう気持ちが知らず知らずのうちに含まれてはいないでしょうか?自分はそうではなくても自分の周囲はどうなのかな、とか。それについて自分の心の中で問いかける必要があるな、と思ったのです。

ちなみにさ、ほんっとそろそろ「 腐女子」に代わる新たなネーミング欲しいよね。わたしとしては実は「LGBTQ+」のプラスのところに 腐女子という存在があるぐらいに思っているんですけど。それはマイノリティという意味で、ではなく「性志向」という意味で。自分に関して言えば間違いなく自身の性志向だと思います。で、ゲイ作品やBL、またはクィアに興味のある女性のことを自虐的に「 腐女子」と最初に言ったそのセンスは全然嫌いじゃないけれど、もうそろそろ、もっと肯定的な響きのある新しい用語が出てきてもいいのになあ。ネットで次から次へと「うまいこと言うなー」ってかんじの新しい言葉を生み出す若い子たち、お願いしますね❤

 

「BL」が入り口になってLGBTQの問題、ジェンダーの問題、または生きている中にいろいろある差別の問題、そこにどう向き合うか、自分はなにをしたらいいのか、そういうことにわたしたちは触れていってます。BLはフィクション作品ですが現実のLGBTQ+の人々はフィクションではなくリアルです。BLは夢であり、でも単なる夢でもなく、希望でもあり、そして世界を変えていく力だって持っています。わたしは台湾やタイのBLドラマ作品の中の性表現の在り方を観ていると、それを演じる俳優においても、それから表現の仕方においても、すごく可能性を感じてしまうので、ついそれについて語ってしまうんですよね。そのことを昨日わたしが言ったら「え、ヘテロ作品よりもゲイ作品の性描写の方が俳優にとって可能性があるって?」と今度は男性諸氏から言われました。「だって、いわゆる男女の物語における男性規範のおとこ、という表現だけでなく、男性が可愛かったり、でもオスみ出したり、攻めたり、攻められたり、いろんな表現をすることが出来るのって、俳優としてすっごく面白いんじゃないかな?」とわたしは常々BLドラマを観ながら感じていることを話しました。

そういう可能性に満ちているBL作品。そんなの好きで当たり前じゃん、て思うし、でも興味のない人はそれでいい、好きな人は好きだって言う、そんな中で少しずつ分断されている世界の枠に綻びが生まれて、お互いがいろいろと影響しあい、作用しあう世界になったらいいなって思うんです。

驚いたり、共感したりしあいながらね。

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(画像はWETV「Lovely Writer」より)

「Lovely Writer」 EP11 Behind the scene 邦訳

『Lovely Writer』EP11のBehind The Sceneの英語字幕を邦訳したものです。

なお、私はまだまだ英語勉強中の身ですので、誤訳もかなりあるかと思いますし、日本語としておかしくない表現にしようと意図して訳し間違えることもあると思います。基本的には自分の覚書のようなものですが、もしも大きな間違いがあればご意見くださるとありがたいです。

さて、Behind The Sceneは、撮影の裏側でキャストやスタッフがどう動いているのか見るのが何より楽しいしシアワセなんですが、ここではシーンのセリフや撮影中のお喋りは割愛して、この作品について言及しているところのみ訳しています。ただ本当はこのBTS、映像と共に楽しむ方がより良いですね。日本からでも観られるのが一番有り難いのですが、現在のところはVPNに繋いでWETVで観ることをお勧めします。

ではでは、EP11のBTSです!

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Tee監督
(EP11 GeneとNubsibが仲睦まじくふたりだけで過ごしているシーン)
「EP10では誰かがNubsibとGeneが一緒にいる写真を撮りました。
それは彼らに悪影響を及ぼしました。
最初、彼らはそのことについて触れないようにしました。
社会的な問題・・私たちにとってこれらの問題は本当に社会に存在すると思います。
彼らはまだこのことに直面することを恐れています。
彼らは何が起きたかあえて話していない。何をすべきかわからない。どうやって対処していいのかわからない。どう説明したらいいのかわからない。
それで彼らは隠すことを選びました。
私たちが何かを恐れているとき、それを口にしないように。
議論したくないし、ただ、いわゆる幸せが欲しい。
それで私たちは問題に直面できません。

正直言って彼らは現実に直面する準備が出来ていない。
近いうちにそれが起こるということを知っていたけれど。
しかし彼は、先にそのことを考えない方がいいと思っていた。
彼らは幸せに見えるけど、ことは実際に望んでいたようにはなりませんでした。
自分たちの幸せのために一生懸命頑張っているだけでした。
でも実際は深く傷ついていたのです。
誰かがそれを理解するまでは感情を表に出したくなかったのでした。」

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【Nubsibを忘れない限り】

 Tee監督「Aeyは非常に複雑なキャラクターでした。
彼はストーリーの流れの鍵でした。
それでこの(インスタライブの)シーンはAeyが物語の流れを決める人だということを見ることが出来ます。
彼はすべての登場人物の物語に影響を与えます。
彼は多くの人にGeneを差別させた。
彼は物語の流れに大きな影響を与えたのです。主役とその他の登場人物含めて。
私たちはそのようなシチュエーションを望んでいない。
なぜならそれは悪い影響になるからです。
それはまた怒りを引き起こすかもしれません。
多くの人はAeyの行動の背後にある理由を知りたい。
我々はAeyのキャラクターを企画している時、考えました。
私たちは時々、理解できない人に会うかもしれません。そしてAeyはそういう人なのです。
Aeyはかつてひどく傷ついた人なのだと感じるでしょう。
彼は愛したものからひどく傷つけられました。
それで情緒不安定なのです。
Aeyはそういう人々の代表なのです。
彼はSNSでライブ配信をしました。
主に仕事での問題のために。彼は、問題を解決するのは難しいと考えました。
しかし嘘によって問題を解決することを選んでしまったことを気付いていません。
すべてうまく行くと思っていました。
彼のような人々が実際にいます。
このキャラクターは、自分がしたことに対する責任を負う勇気を持っている必要があります。
その結果がいいか悪いかは関係なく。
どうぞ彼を楽しみにしていてください。
Bruceも同様に大変でした。Bruceは私に、そのシーンの感情を表現するのは難しいと言いました。なぜなら彼は泣き、そして笑わねばならなかったからです。そして同様に哀れに見えねばならないからです。彼は心からすべての感情を表現せねばなりませんでした。それは彼の演技技術を披露するシーンになりました。
Aeyはいい仕事をした。視聴者に彼を憎ませた。
私はBruceの表現に感謝します。素晴らしかった。
私は視聴者の方に、この(ライブ配信の)シーンを観たあと、さらに彼を理解してくれることを望んでいます。

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★★その後は、BuaとHinについて。Buaも主任編集者として問題を解決するためにはこれまで見せなかったダークサイドも見せるし、Hinもそれによって傷ついたこと。それから全体での会議では、俳優全員がとても緊張したし何度も練習を繰り返したこと。さらに、Tarmを演じたFreshはここで見事な演技を見せ、このシーンではとても重要なポジションだったことなどがTee監督から語られます。会議後のTumとTarmの激しいやり取りも長回しで撮影していますので、それを知ったうえでもう一度そのシーンを観てみるのはどうでしょうか。その後のTumとTiffyのシーンでは、これが初めてのドラマとなるTum役のKenにとって、Tiffyのもとで泣くシーンの感情を作ることがとても難しかったようです。この辺りは割愛しますが、HinについてTee監督が語っているところを載せておきます★★
 
Tee監督「(Geneを訪ねて行ったHinとGeneの会話)HinはGeneを兄のようにみなしています。Hinは上司との問題、そしてこの兄との問題に対処することが困難です。Geneとの会話の中で彼を心配しています。Hinは説明し、そしてGeneに決断を下させたかった。このキャラクターはストレスを抱え、そしてそれ以上のことができません。なぜならGeneを愛しているからです。彼はGeneを傷つけることはできません。Geneのことをわかってもいます。Hinも同様にいつも仕事を一生懸命している人です。
(母親と電話するシーンについて)
これは難しいシーンでした。
Kenjiもまた、難しいと言ってました。彼の口調もセリフも北訛りでした。感情を表現しているあいだ、キャラクターに没入し、泣かねばなりませんでした。それで我々は何度も撮影しなおしました。彼もまた、感情を集中し、費やしました。」
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「君はAeyといるべきだ。僕じゃない」

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Up「正直言って僕たちの愛情の中で難しい感情でした。僕たちはこのシーンの撮影にすべての努力を払いました。
少し疲れました。なぜならその日はいろんな感情が渦巻く難しいシーンです。泣くシーンのタイミング、どの時点で泣くべきか、どのセリフで泣くべきか。難しかった。この作品の中でとても難しかったシーンだと言えます。」

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Tee監督「彼らにとって難しいシーンだった。それでとても熱心に彼らと話し合いました。もし彼らが、こういう場にいたことがない、またはこのカップルの背景がわからない場合、彼らはこれを理解できないかもしれない。それで我々は、なぜ彼らが壊れたのかを明白にしなければならなかった。
『彼らは内緒で一緒にいることはできないの?』そういうふうに嘘をつくという考えもあります。彼らは個人的な生活と世間の評判の間で選ばねばならない。それは重要な決定です。それは愛情よりも。彼らの決定はそれよりもっと影響が強い。とてもシリアスなことです。我々はこれについて視聴者やファンの間で論争が起こるだろうと思います。 それについては俳優や関係者の間でも疑問視されるかもしれません。
正直言ってもっとも難しいシーンです。なぜなら我々はすべての場面のきっかけを明白にしないといけないからです。彼らは感情とともにセリフを表現せねばなりませんでした。もうひとつ別の感情も表現せねばならない。私たちはすべての場面をはっきり分断させねばならない。その登場人物の感情を皆さんに感じてもらうことができたらと願います。俳優たちはよく準備されてないといけません。Upも苦労しました。 私たちが望むようにシーンが流れるようにするために、彼はいくつかの側面を維持しなければなりませんでした。それゆえ、会話は変に聞こえるかもしれない。
Nubsibも同様です。
このシーンではNubsibはやさしい言葉を与えることが出来なかった。Nubsibは声を荒げGeneに怒鳴りました。」

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Tee監督「実際、多くの解決法はあった。しかしGeneはNubsibの未成熟な側面を見たとき・・・、Nubsibの解決法、態度、考え方はまだ未熟だと思いました。多くの人は尋ねるかもしれない。『なぜGeneはNubsibと離れるの?』GeneはNubsibと別れたり彼から去る必要はないのです。しかし彼にはもう我慢できなかった点がありました。GeneはNubsibをとても愛しています。彼はNubsibをもっと大人の男になるよう導きたかった。なぜならGeneは、Nubsibが以前にした多くのことが嫌いだったからです。しかしこれが彼の成長するためのレッスンになるかもしれないと思いました。Geneはただふたりだけでいる以上にもっと広い世界をNubsibに見てほしいと思ったのです。Nubsibがもっと大人の考えを持ち、問題解決のスキルを身に着けてほしいと思ったのです。Nubsibにとってそれは残酷な仕打ちだとしても。彼らがお互いに愛し合ってることをわかっていたら、彼らはこれを克服するでしょう。
彼らは Nubsibが提示した子供っぽい方法、お金ですべてを解決する方法よりも、元に戻りすべてを得るでしょう。永遠に一緒にいようとする人にとってこれはとても重要だと思う。Geneの考え方としては、楽しいだけじゃない、傲慢な、または自分勝手な愛ではなくもっと大人の愛を望んだのです。
これがEP11でのGeneの決定の主たる理由です。
私たちはこのシーンに長い時間をかけて撮影しました。それは私たちの予想を越えてました。なぜなら彼らがそれを表現するのはとても大変なことだからです。結果はとても良かったです。視聴者はきっと気に入ってくれるでしょう。」

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Kao(会議から出てGeneとふたり感情をぶつけ合うシーンの撮影を終えて)「今、どうだって?僕の目はボロボロだよ。お互いの中の感情を探りあい、そして感情をぶつけあった。Upはたった今、とてもいい芝居で返してくれた。特にドラマチックなシーンだった。彼にとても助けられた。僕が言えるのは、Upと撮影してるときはいつも彼から多くのものを学んだということです。」
Tee監督「我々は恋人たちの別れを見てほしいと願った。それでほろ苦いシーンを作りました。Geneは部屋から立ち去るとき、離れたくなかった。Geneはまだ彼を愛してる。この悲しくて痛い場面から視聴者にそれを感じてほしかった。何故私たちは別れるの?私たちは心の中でそう思います。
次のエピソードのPchyの歌はこのシーンのために特別に書いてもらいました。私たちはPchyにこのシーンを見せ、この作品を彼に手短に語りました。登場人物の問題を含めて。Pchyは脚本を読み、調べ、この作品に反映したこの歌詞を書いてくれました。この歌はNubsibとGeneの愛のセリフを表している。我々はこの曲で単一のキャラクターを表現したくなかった。NubsibとGeneの関係を表現したかった。この歌詞によって考えることができるのです。彼らが争っている時、この曲が流れる。完璧でした。登場人物の悲しみを反映しています。
 

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【The old and new problems】
この回では、すべての登場人物がそれぞれの問題にもがいているのを見ることができます。それは昔からの、そして現在の問題を解決するためにしなければならないステージです。ここに登場するすべての大人ひとりひとりに言及するのには理由があります。脚本を書いたとき、私たちは誰かを突然悪者にすることはしたくなかった。すべての登場人物の行動の背景には理由があります。ある段階において、子供時代に大人から抑圧を受けるとき、彼は同じシチュエーションに直面するに違いありません。
彼らはそれを乗り越え、すべての抑圧に反抗しました。彼らが大人になるために。前に進み、もっと大人になるために、問題と向かい合っています。どんな大人になりたいか。それは私たちの成すことに依ります。すべての登場人物は難しい問題を解決します。それはAeyのように悪いやりかたかもしれない。なぜそうしてしまったのか。HinはGeneの弟分になり続けることを選ぶのか。彼は何も言わないことを選び、そしてそのままにしました。TiffyとTumもまたもがいています。彼らもそれを乗り越え、前に進まねばなりません。そこで彼らはどう解決するのでしょう。NubsibとGeneも問題から目を背けましたが、そのもとは残ったままです。そこから目を背けては解決できません。問題はまだ存在しています。解決しないといけないし行動を起こさないといけないのです。
(Cr Wetv)



 

「Lovely Writer」 EP12 Nubsib the End__behind the scene 邦訳

私はBehind The Scene、通称BTSがとても好きです。作品をどうやって作ってるのかとか、どういう気持ちでこのシーンを作ったかなどの制作秘話が大好物なんです。タイドラマにBTSは付きものですね。ただ英語字幕がついてるものがとても少ないため、映像だけで鑑賞するしかできないことが殆どでした。でも「Lovely Writer」は英語字幕が付いているんです!それで自分の覚書としてその字幕を訳してみました。

個人的には、12話に関してはAeyについての描き方と、それからGeneがNubsibに再会した場面の長回しについて興味深かったのですが、その点についてもTee監督が語っているところがとても良かったです。

ただ邦訳は、素人ですし辞書引きながらのざっくり訳したものですので、もしも間違っていたら是非ご教示くださいね。

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【EP12】

Tee監督「EP12は驚きでいっぱいです。視聴者の方々はそれを愛するに違いないです。このシーンで俳優たちはたくさんのラブシーンを捧げてくれました。(NubsibとAeyの冒頭の)このシーンではNubsibは洗面所に行き、Aeyは外で彼を待ってました。Aeyはこのとき、問題を解決するために来ました。なぜなら彼は自分が間違いを犯したことを知ったからです。Aeyはもはや自分を取り戻すことは出来ませんでした。私たちは罪を犯したときに許しを請います。しかし人々は彼のしたことをすぐに許すことは難しいと感じたのです。NubsibはいつもAeyに傷つけられていました。それが彼を信用しなかった理由です。
Nubsibは今、すべてが十分良いと思っています。何も変える必要はないし、自分のすべきことは前に進むことだけだ、と。来るべきものはやがて来るし、起こるべきことは起こる。」
【NubsibがAeyを抱いて言うセリフ】

Tee監督「これから先は全部、君次第だ。僕は君を愛していて相性が良くてカップルに見えるっていうように表現することができる。何故ならこれが全員にとって一番の決定だからです。Nubsibも大人になりました。GeneはEP11で言いました。Nubsibにこの選択しかないのだと。NubsibはAeyについてひどく叱ります。君は間違っていると。それは他の人々に悪い影響を与えました。しかし彼はこうしなければいけなかった。なぜならこれが一番ベストな選択肢だったからです。」f:id:mioririko:20210602173256p:plain



【TiffyがAeyのマネージャーを辞めたこと】
Tee監督「Tiffyは実際、Aeyをコントロールすることは難しいと感じました。彼女は彼をコントロールできなかった。Aeyにはいろんなことが起こるかもしれません。先回の彼のインスタライブのように。彼については制御不能で、事故を起こしかねません。彼はまた誰かと争うかもしれません。マネージャーとして俳優をコントロールすることが出来るはずですが、彼女はAeyに対してそれが出来ないと感じました。これが彼女がこの決定をした理由です。彼女は同じようにとても怒っていました。彼女は彼を信用していました。しかし彼は彼女を失望させた。私たちが見たように、彼女は彼から離れることを選びました。我々はAeyを落とすためにこのシーンを追加しました。 Aeyのこれまでの行動が全て間違っていると気付かせるためです。」

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【記者会見】

Up「最終話は記者会見で始まります。」

Kao「Nubsib はGeneとは何の関係もないとはっきり言いました。それはあなたが考えたものではありません。ニュースで見たものではありません。」 
Up「Geneは実際、Nubsibが記者会見で言ったことがとても悲しかった。Geneの感情と精神面において彼の心は沈みました。
Kao「多くのことはこの記者会見の前に起こりました。Aey、Nubsib、Geneの間の問題の他に...私たちの側では、多くの異なる反応がありました。」


Tee監督「(記者会見シーンは)簡単そうに見えるかもしれませんが、実際難しい場面だった。このシーンではたくさんの俳優が登場しました。そして、両者は声明を発表するために前に出なければなりません。記者たちは質問を続けました。Geneは大きなプレッシャーを受けてます。決着がつく前に・・・NubsibとGeneの関係を見つめています。
全員、悲しそうに見えました。しかし彼らの感情は違って、そして互いに無関係です。ちょうど私たちが見ていたことのように。全員悲しそうに見えます。彼らは自分自身を元気づけることができませんでした。TarmとBuaは笑おうとしたけれどそれでも彼らも動揺していました。しかし、彼らが進むべき方向に進むためには..それが彼らの責任だったのです。選択肢はありませんでした。Geneも見ての通り非常に動揺していました。彼はここで起こっていることを不快に感じてます。しかし彼は出来る限りのことをしているのです。これは彼にとってハードな出来事です。しかしこれは彼の決定なのです。何があっても彼はその決定に耐えねばならないのです。彼らはこの記者会見で問題を明らかにしそしてすべてを終了させます。それで彼は前に進むことが出来ました。」

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【4か月後】

Tee監督「この4か月間通して彼らはお互いに会っていませんでした。会っていないし話していません。彼らは離れていなければならないということが分かりました。彼らは契約によりお互い話すことが出来ませんでした。私たちは今ではコミュニケートはとても簡単なものだということを知っています。それ以外の意味はありません。しかし私は離れたことがとても良かったと感じています。彼らはもうお互いを愛していないとは言いませんでした。 しかし彼らはバラバラになりました。彼らはまだ愛し合っています。しかし彼らは再び一緒になる機会を待つことが必要でした。これもまた悲しいシーンです。実は彼らは待つ必要はない、しかし待たなければならない。4か月待つ。彼らの愛が花開くまで。」

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【HinとGene】

Tee監督「(Hinは帰郷するため荷物をパッキングした)Hinはep11でとても悲しい思いをしたので幸せになって欲しかった。みんなが私たちのキャラクターに幸せになって欲しいと望んでいると思っている。彼は小説を書き上げることに努力を費やしました。Ep12では彼はBuaに辞表を出そうとしました。しかし彼がそうする前にBUAはGeneからHinの小説を受け取っていました。それで彼女はHinが一生懸命書いた作品を読みました。彼は成功し、幸せになりました。私たちは思います・・このキャラクターは・・・彼は彼のハードな仕事に満足しました。彼は小さく始まり、そしてハードな仕事のなかでゆっくり成長した。これがHinという人です。」

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【HinとGENEの会話】

Tee監督「私たちはこのシーンはとてもcuteだと思っている。私たちがここの脚本を書いていた時、とても幸せなシーンになるだろうと思った。なぜなら喧嘩や口論があるシーンがあるからです。喧嘩や言い争いのシーンが相手の気持ちを伝えられること、会話の楽しさが伝わってきます。

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Tee監督「Geneとhinの関係はとても純粋で嘘偽りがない。そしてとてもかわいい。彼らはそこ(Geneの部屋)に座った。そして彼らはとても幸せに見えた。彼らはいつもお互いを助けている。彼らの相互作用はとても興味深いものでした。このシーンは長いけれども、彼らは気持ちをうまく対処します。UPとkenjiもまたこう言った。とてもスムーズだったと。これは俳優間の化学反応です。プロフェッショナルな間での化学反応です。どちらかが動けばどちらかが反応する。彼らの会話は場面を刺激します。それがHinが素敵な理由です。Hinもまた彼自身の道に幸せを感じている。彼もとてもかわいらしい。」

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【TumとTarmの会話】

Tee監督「我々はいつもFreshを称賛しています。Freshもまたいい女優です。彼女の感情がポイントになりました。Tumはこのシーンを含め、彼らのシーンを一緒に演じることでFreshからたくさんのことを学びました。これはTumが仕事を辞任するシーンです。Tarmは辛辣だけど心の優しい人です。現実には私たちの多くはそういう人々に会っているかもしれません。彼らは理由や根拠を持って物事を言います。それで彼らに対して怒ることが出来ないのです。Tumは実際、Tarmの気持ちを操縦することはできます。それは、彼自身がもっと大人になりたいということだけです。 人々はいつも、彼は子供のようだと言う。彼が抑圧されている理由はそれです。これがもっと大人になる理由です。彼が抑圧の元で窒息していたとき、彼は前進することも反撃することも出来ませんでした。安全な場所から踏み出す勇気もありませんでした。彼がそこから抜け出し、一歩を踏み出すその日まで。Tarmだけが彼を外に出すことができる。彼も実は混乱しています。彼は本当は辞めたくなかった。しかし彼はそれが解決するための道だと思い、それで彼はこの方法で問題を解決したのでした。
Tarmも同じことを感じていました。彼女はとても誇りを持っていた弟がそのような断固たる態度を見せるような行動をとった。彼女は安心でき、それで彼を行かせたのです。しかし彼女は最後にTumに知って欲しかった。いつだって彼のそばにいることを。このシーンは素晴らしかった。つまり、Tarm と Tum は、このシーンで最高の結果を生み出すために努力しました。」

 

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【Aey eats the flower】

Tee監督「Aeyの結論は・・・彼はやはり、まだ俳優なんです。彼は思い通りの人気を享受しました。しかし彼が求めていた幸せを得ていない。みんな彼の周囲から去りました。彼の誤った行動のせいで。はじめから彼は誰についての気配りもしていませんでした。Aeyは彼のファンの間では人気を得ました。しかし彼は周囲の人から無視されました。家族であろうと同僚であろうと。彼のマネージャーでさえあの記者会見の日から去っていきました。彼は望んでいたものを得たようにみえる。しかし彼は幸せではありませんでした。それで私たちはAeyの気持ちを表すシーンを考えました。これは視聴者に彼が本当に望んでいるものを表現しました。それは精神的なものなのか、それとも彼のファンからのプレゼントなのか。私たちにとってこのシーンは、彼の感情と思考をとてもいい解釈だったと思う。私たちが間違っていると思うものを包み込みました。それで私たちはこのシーンを撮りました。Bruceは素晴らしい演技をしました。彼は本当に花を食べました。すべて本当に起こった。すべて彼の努力・・・。

あなたは欲していたものを手に入れた・・そしてそれを口にする。それを飲み込んで、それであなたはなにを手に入れたの?これがあなたが本当に欲しかったものなの?

これがこのキャラクターの感情の解釈です。彼に対して胸が張り裂けるような思いがしますか? 彼を哀れに思う?それはすべて視聴者の皆さんに沸き起こる解釈です。」

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【Back to their childhood】

Up「子供時代のシーンもまたとても難しいシーンでした。カメラワークが大変でした。」

Tee監督「我々の脚本の中で、これは実際とてもよくあるシーンです。どうしたらこれを普通にできるのか。それはもっと特別な何かを探すからです。このシーンをより豊かに見せるために。私たちは子供時代と現在を交差させるため、ふたつをオーバーラップさせました。我々は良い効果を得たかった。それでキャラクターの感情を表現するテクニックを使いました。それはまた、物語の線が繋がることを可能にしています。彼らの子供時代から始まり、そしてついにその結果が大人になって現れる。私たちは子供時代と大人時代を交代させました。なぜなら我々はワンカットで撮影したからです。編集や撮影の中断をしていないのたそのためです。私は驚くほどリアルな結果にしたかったし期待もありました。それで私は1カットで撮り、すべてが突然起こるように表現しました。1カットでの撮影に関しては、途中で中断することはできません。それで私たちはとても長い間撮影しなければなりませんでした。スタッフもまた忙しくあっちこっちを走っていました。私たちにとってこの種の撮影はとても楽しかったです。私たちは新しいことをやってみたい。視聴者の皆さんは驚いてくれるかも。我々もまた、驚きに満ちてます」

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kao「それはキスシーンもそうで。僕たちがお見せしたかったことは・・・僕らはこの場で再会するまでは数か月間離れて生活していました。それで僕たちが再会したとき、キスをする理由が変わったこと・・・お互いの気持ちを吐き出すため。何度も何度も繰り返されると。僕たちの愛はとても深いのだということを表現しました。
僕らはお互い会えませんでした。それであの場で再び元に戻ることを考えていました。あの再開のシーンは、僕らの切望していたことと愛、その表現の間のコントラストを見せました。子供時代と大人時代のコントラストもね。そして僕らは再び恋に落ちたのです。」

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Tee監督
「彼らが再会した後、この部屋(Geneの部屋)に行きました。NubsibはGeneの手を握り、GeneはNubsibの顔と髪に触れた。これは彼らが切望していたことです。お互いにとても長い間、会うことが出来なかった。それで彼らの切望を表現しました。4か月ぶりでした。それで彼らはもの狂おしい思いでしたが、このシーンでは深い愛情を表現しました。それはとてもcuteでもありました。彼らは自身の愛を示しました。このシーンはまるで夢のようにロマンチックに見えます。彼らはお互いを頼っていました。実はこのシーンを監督するのはとても大変でした。なぜなら我々はそのような愛情の表現を実際に体験することはないからです。それはとても稀なことです。彼らはすべて本当の感情です。だからこそ、このような結果を得ることができたのです。しかしそんなシチュエーションは稀です。我々は夢のようなシーンを見たいと望んだ。監督するとき、私たちは俳優たちに、彼らの行動の背景にある理由を説明します。お互いの手の匂いを嗅ぐことだけで愛を表現するのではありません。我々はその背後にある深い感情を説明しなければならなかった。そのシーンを作ることがよりよく作るために。お互い見つめあって気持ちを交差させるために、手の匂いをかぐこと・・キスして匂いを嗅いで、そして彼の手に触れる・・・それはどういう感情だったのか。」

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Tee監督「もしも彼らの間に真実の愛がなければこの一連のシーンは無様に見えたことでしょう。彼らふたりは下準備をし、我々もまたふたりを監督した。それで彼らは自分の感情や表情をはっきりと伝えることが出来ました。超ラブラブシーンの後、我々は一部を編集しました。彼らはこのあと、ゆっくりベッドサイドに向かって歩いたのです(笑)。あなたはそれを想像で埋めることができるよね。私たちはこのシーンを編集でカットしました。私たちは見せすぎる必要はない。これで十分なのです。」

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【 The Piano Scene】

Up「ピアノのシーンは難しかった。なぜならその日の朝、Tee監督は『Up。Kaoにピアノを弾かせることが出来れば今日は一日なにをしてもいいよ』って言ったんです。でもKaoはピアノを弾いたことがない。」

Kao「僕はTee監督に聞いた。どうしてピアノが弾ける俳優を見つけなかったのって。」Up「代わりを見つけることが出来る?  まさか! 僕らは他にすることが出来なかった。しかし正直言うと、Kaoはとても難しいことに挑戦した。僕も彼に教えることにベストを尽くしたよ。kaoはなんとかピアノを弾いたよ。本当に。」

Kao「でも撮影が始まったとき、僕はナーバスになったよ。正直言って面倒だった。そ僕たちは気持ちを表現しないといけなかった。それはあなたが見たようなものです。チームにとても感謝してます。」

 【Imagination】

Up「どうやってイマジネーションシーンは起こったの?全部の想像はTee監督だよね?」

Tee監督「なんでも想像で得ます。.鳥になる。木になる。すべて起こすことができる。僕が白雪姫になり君は王子様になる。これもできる。

Kao「Tee監督に感謝だ。僕たちはこれをすることができた。」

Up「面白かった!ユニークな経験だったよ。そしてとても興味深いシーンだったよ。」Kao「長い話だよ。」

Up「とても長い。」

Kao「終わらない。」
Tee監督「舞台裏にはフィクションがあり現実があります。画面に映っているカップルと本物のカップルがあります。GeneとNubsibは小説を書いた。そこには夢と現実があります。

(想像シーンの衣裳試着日)私たちは考えました。もしGeneとNubsibが白雪姫やロミオとジュリエット、シンデレラのコスチュームを着たら、とてもキュートに見えるし面白い。私たちはそれを見るのがとても好きだ。視聴者にそんなキュートでラブリーなシーンを見せたい。ボーイズラブのドラマや映画はもっと増えるだろうと思っています。普通の、少年と少女のロマンチックなドラマや映画とは違う。メディアの専門家として、私たちは昔ながらのストーリーをまったく新しい方法で再解釈する必要があります。妖精の羽のコスチュームをつけたふたりは本当に可愛かった。今の社会はもっとオープンマインドになる。そして私たちはこのようなものをもっと頻繁に見ることができる。それが私の期待していることです。
質問者「どのキャラクターが好きでした?」

Up「僕はロミオとジュリエット。本当に楽しかった。僕は何度も笑ったよ。僕たちは楽しんでるけれど、キャラクターは本当に興味深かった。このシーン覚えてる?『あなたは何を摂ったの? Nubsib,これはなに?』

Kao「『毒薬』」
Up「すごく楽しかった!あなたがどのシーンも気に入ってくれますように!」

Kao「シーンを支えるスタッフの大変な仕事を見ることができますように。私たちは笑いを止めることが出来なかった。」

Up 「本当にありがとう。私たちのドラマ、Lovely Writerを好きになってくれますように。僕たちは努力のすべてを注ぎました」

Kao「僕たちチーム全員が本当に一生懸命作り上げた。」

後略・・・

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"Lovely Writer the Series" shooting date ③

I'm Japanese LOVELY WRITER THE SERIES's fan.

I found out the LOVELY WRITER THE SERIES's shooting date on "Lovely Writer" Behind The Scene. The shooting seems to be between Septenber and December 2020. 

This blog is about the very complicated shooting schedule from Dec.2020 to Feb.2021.

Sep.2000~Oct.2000

mioririko.hatenadiary.jpNov.2020

mioririko.hatenadiary.jp02/12/2020

EP6 Tiffy fixed Tum's car. Tum Fixed Tiffy's clothes.

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04/12/2020

EP12 Nubsib's imagination.

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06/12/2020

(The shooting of BAD ENGINEER)

EP3

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EP5

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EP9 Nubsib couldn't say love to Aey because Gene saw them.

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f:id:mioririko:20210523121301p:plain11/12/2020

EP9 Aey was waiteing to Gene in the hotel.

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EP9 Aey argued with Mhok.

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20/02/2021

(Additional scenes?)

EP9 Gene and Nubsib's tooth brushing scene

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 Cr We TV

Thank you to all the actors, director Tee and all the staff for making such a wonderful work. This work will remain in my heart forever. 

Please let me know if there are any mistakes in these contents. Thank you for reading. 

"Lovely Writer the Series" shooting date ②

I found out the LOVELY WRITER THE SERIES's shooting date on "Lovely Writer" Behind The Scene. This is the second blog about the very complicated shooting schedule on Nov 2020.

Sep.2000~Oct.2000 → 

mioririko.hatenadiary.jp1/11/2020

(The scene of shooting of the "BAD ENGINEER")

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5/11/2020

(Gene's room.Drunk Gene.)

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11/11/2020

(The hometown of Gene and Nubsib)

EP7 Gene leaving from nubsib.

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EP9 The night of coming out.

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EP10 Gene and Nubsib got the understanding of their parents.

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12/11/2020

EP7 Gene and Nubsib as children.

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EP10 Gene and Nubsib hugged.

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13/11/2020

EP9  Gene and Nubsib family's dinner.

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EP9 After coming out. Each of them have to returned to thier own home.

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EP10 Gene's father didn't talk to Gene.

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EP10 Gene's mother talked to Gene over a Japanese tea.

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14/11/2020

EP12 Gene returned to his parent' home and met Nubsib.

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15/11/2020

EP7  Gene and Nubsib as a child.Their first encounter.

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EP7 Gene,Nubsib,Nueng and Jap as children.

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EP10 Nubsib got his parent's understanding.

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EP12 Gene and Nubsib's kiss scene

 

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EP12 Nubsib played on the piano for Gene.

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19/11/2020

(Gene's white second house)

EP1 Gene was writing his work at his second house.

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EP7 Nubsib hold Gene sleeping on the sofa.

f:id:mioririko:20210522214625p:plain21/11/2020

EP7 ”You are kissing a dog now" f:id:mioririko:20210522211316p:plain

EP7 Nubsib sleeping on the Gene's bed. f:id:mioririko:20210522211154p:plain

EP7 Nubsib lay by the side of Gene.

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EP8 Nubsib said Gene."I want to kiss"

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22/11/2020

EP1 At a palking lot.

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EP6 Gene noticed Nubsib's lie.He cried.

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26/11/2020

EP8BAD ENGINEER’sProduction announcement

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28/11/2020

(The scene of casting day)

EP1  The guests of James and his team and Kaownah・Turbo

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EP1  The scene of casting

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EP1 Gene and Hin

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30/11/2020

(The condo living Gene)

EP1 Tum and Nubsib came to see Gene.

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EP5 Nubsib and Gene are asked by fans to take some picture together.

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EP6 Gene before returning to his parents' house

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EP10 Gene took care of Nubsib's skin.

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